2012 Fiscal Year Research-status Report
空中伝搬超音波法による多孔質ポリマーフィルムの構造物性解析
Project/Area Number |
24550255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
則末 智久 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40324719)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
ボイドサイズが数十ナノメートルから数十マイクロメートルの多孔質フィルムは、断熱材、梱包材、衝撃吸収剤、吸音材など、ボイドの大きさに応じて様々な応用例が想定される。ところが、試料の外観は高度に白濁する事から光学的手段では分析が困難である。また電子顕微鏡等では、調べたい断面を切り出し、試料を真空下に置かなければならないため、柔らかい発泡フィルムを非破壊でそのままの状態で分析することは簡単とは言えない。我々はこれまで、溶液やゲルに対する、超音波を用いた構造・物性解析法を提案してきた。 これらにより材料は、非破壊・非接触で解析可能であるが、実験は、音波の減衰ロスが最も小さい水中で行うのが一般的である。そのため、多孔質フィルムの精密解析においては、試料への水の含浸に注意する必要がある。疎水性のフィルムや、閉じたボイドを含む場合など、含浸状態が不明瞭な場合には、むしろ空中で実験を行うことが望まれる。企業の製産場で生み出される商品のオンライン検査を行う場合も、空中での測定が好ましい事は言うまでもない。そこで、本研究では、これまでの超音波を用いた散乱解析や薄膜解析に関する研究成果を活かしつつ、空中伝搬超音波を用いたポリマーフィルムの新しい非接触構造解析を試みた。 当該年度はポリフッ化ビニリデンなどの圧電ポリマーをキャスト、電気分極し、超音波センサを開発し、水中での基本データの取得を行った後、空中音響センサーの発振試験、データの取得を行った。水中音響の場合と異なり、研究に用いる周波数は1~3MHzとやや低いが、空中での音速が水中より小さいので分解能の点で特に問題はない。多孔質度や厚みの異なる市販のテフロンメンブランフィルターや、ポリプロピレン製発泡フィルムの非接触厚み、多孔質度評価が行え、初年度は空中での基本データの取得まで到達した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の目的、年次実験計画に沿ってセンサーの試作、データの取得が無事に行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
空中超音波発振が行えたので、非破壊・非接触で計測した多孔質フィルムの解析、理論検証を行う。この際、膜厚が超音波の波長よりも薄いので、多重反射が干渉し合う。そのため、従来の単純な透過率解析法は適用できないので、多重反射を考慮した理論構築と、その妥当性の検証を行っていく。これらが達成されると、企業等の実際の製産場で非常に柔らかくて脆いフィルムの非破壊非接触の膜厚、弾性率、多孔質度のモニタリングが容易に行えるようになる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請書にかかげたとおり、市販センサー、特注ステージ、試料調整用の溶媒やガラス器具等を購入する予定である。
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Research Products
(11 results)