2013 Fiscal Year Research-status Report
空中伝搬超音波法による多孔質ポリマーフィルムの構造物性解析
Project/Area Number |
24550255
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
則末 智久 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40324719)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
ボイドサイズが数十ナノメートルから数十マイクロメートルの多孔質フィルムは、断熱材、梱包材、衝撃吸収剤、吸音材など、ボイドの大きさに応じて様々な応用例が想定される。ところが、試料の外観は高度に白濁する事から光学的手段では分析が困難である。また電子顕微鏡等では、調べたい断面を切り出し、試料を真空下に置かなければならないため、柔らかい発泡フィルムを非破壊でそのままの状態で分析することは簡単とは言えない。我々はこれまで、溶液やゲルに対する、超音波を用いた構造・物性解析法を提案してきた。 これらにより材料は、非破壊・非接触で解析可能であるが、実験は、音波の減衰ロスが最も小さい水中で行うのが一般的である。そのため、多孔質フィルムの精密解析においては、試料への水の含浸に注意する必要がある。疎水性のフィルムや、閉じたボイドを含む場合など、含浸状態が不明瞭な場合には、むしろ空中で実験を行うことが望まれる。企業の製産場で生み出される商品のオンライン検査を行う場合も、空中での測定が好ましい事は言うまでもない。そこで、本研究では、これまでの超音波を用いた散乱解析や薄膜解析に関する研究成果を活かしつつ、空中伝搬超音波を用いたポリマーフィルムの新しい非接触構造解析を試みた。 当該年度は昨年度までの研究で検討してきた自作もしくは市販のセンサーの特性評価ならびに、超音波を用いた薄膜解析の理論構築、ならびにプログラミングによるソフトウェア化を行った。フィルム中の気泡の形状や構造解析には、密度一定の球およびコアシェル粒子のモデル構築が必要不可欠である。そこで、中空粒子の散乱関数を解析する理論体系の確立を目指し、標準粒子を用いたモデルの妥当性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の目的、年次実験計画に沿ってセンサーの試作、データの取得が無事に行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
連続球体、中空粒子のモデル化が行えたので、非破壊・非接触の超音波スペクトロスコピーによるデータ収録および解析、フィルム材料のへの応用を検討する。基礎的な多孔質フィルムの実験は初年度で達成したので、特にその理論検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額のため次年度に繰り越す 少額のため次年度予算に加算
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