2013 Fiscal Year Research-status Report
環状高分子を構成要素とするトポロジカルブレンド高分子の結晶化制御と高性能化
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24550256
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山崎 慎一 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (40397873)
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Keywords | 高分子構造・物性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、環状高分子と直鎖状高分子の混合からなるトポロジカルブレンド高分子の結晶化観察を通じて、結晶構造形成に及ぼす絡み合い種類の影響の分子論的実体解明を行うことである。この目的を達成するために、①環状高分子と直鎖状高分子の合成とキャ ラクタリゼーションと②トポロジカルブレンド高分子の結晶化の偏光顕微鏡および示差走査型熱量計によるその場観察および③結晶化物の形態と結晶学的構造観察および力学特性評価を申請者が中心となって行った。結晶化実験では、静置下におけるものと、工業的により重要な流動下におけるものの2通りの場合を実施した。環状高分子試料として、修飾型Grubbs触媒によるシクロオクテンの開環メタセシス拡大環化重合によって得られる環状ポリオクテンを水素化した分子量が異なる数種の環状ポリエチレンを合成した。一方、直鎖状ポリエチレンについては、第2世代Grubbs触媒を利用して、環状ポリエチレンと同様の方法で分子量を制御して合成した。調製した試料の化学構造を現有のNMRおよび赤外吸収分光計で確認し、分子量を固有粘度測定によって決定した。特性評価の完了した環状および直鎖状ポリエチレンを所定の割合(0-100%)でブレンドした試料を作製した。試料の静置下および流動下における結晶化過程をその場観察するために、現有の試料の劣化が防げる窒素雰囲気下で加熱冷却が可能なホットステージおよびせん断流動が印可できるホットステージと高感度・高解像度顕微鏡画像記録システムおよび示差走査型熱量計を用いた。この直接観察によって、ブレンド試料の静置下および流動下における結晶構造形成過程におけるブレンド比および分子量依存性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画では、静置下および流動下における結晶化メカニズムを明らかにする予定であり、この取り組みは予定通り完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、本研究課題の最終年度にあたるため、前年度までに得られた成果のとりまとめと材料特性評価についての研究を行う。試料にせん断流動を印加して結晶化過程をその場観察するために、現有のせん断印加機構を組み込んだホットステージと高感度・高解像度顕微鏡画像記録システムを用いる点は平成24-25年度と同様である。本年度はこれまで得られた結果を補強するデータの取得と、ブレンド比率が直鎖状ポリエチレンが過剰になった場合の系の実験に取り組む。また、本年度は、得られた結晶化物の形態観察や結晶学的観察および力学的特性評価に特に注力していく。
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Research Products
(3 results)