2013 Fiscal Year Research-status Report
新しい架橋法による新規な三次元網目構造を持つ高分子ゲルの創製とその性質の解明
Project/Area Number |
24550259
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
廣川 能嗣 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (60436722)
|
Keywords | 二段階調製法 / 共重合法 / 感温性高分子ゲル / 高速応答性 |
Research Abstract |
水溶性高分子を与えるモノマー(A)、水不溶性高分子を与えるモノマー(B)、感温性高分子を与えるモノマー(C)を用いて、共重合法および二段階調製法によって高分子ゲルを調製した。その結果、次のことが明らかとなった。 (1) (A)と(B)を用いて、共重合して得た高分子ゲルは水中で温度を変化させると膨潤度が大きく変化し感温性を示したが、二段階調製法により得た高分子ゲルは感温性を示さなかった。 (2) (A)と(C)を用いて、共重合して得た高分子ゲルは(A)の増加に伴い収縮温度が高温側へシフトした。一方、二段階調製法により得た高分子ゲルは(A)の増加に伴い膨潤度が増加したが、収縮温度は変化しなかった。 (3) (B)と(C)を用いて、共重合して得た高分子ゲルは、(B)の増加に伴い収縮温度は低温側へシフトした。また、二段階調製法で得た高分子ゲルでは、収縮温度の変化は見られず、(B)の増加に伴い低温での膨潤度が減少した。 (4) (A)と(C)から二段階調製法によって得た高分子ゲルは、共重合法によって得た高分子ゲルより、温度変化に対して高速に応答することが分かった。 (5) 架橋剤は多価アミンを用いているが、官能基を持つモノアミン化合物を多価アミンと一緒に用いると、高分子ゲル網目に官能基を導入できることが明らかとなった。本手法は、SMC(Simultaneous chain Modification during Crosslinking)法と呼ぶことする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた分子認識に代わって、二段階調製法で得られた高分子ゲルの応答速度への影響、および、SMC研究を優先して進めているので、全体の進捗はおおむね順調と考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
二段階調製法の特徴を生かして、(1) 高分子ゲルの温度応答性への影響、(2) SMC法による高分子ゲルへの官能基を導入、(3) 分子認識への応用について検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。 予定している事項は、(1) 高分子ゲル調製用試薬、合成ガラス器具等の購入、(2) 高分子ゲル評価用機器の購入、(3) 研究発表会参加費・旅費である。
|
Research Products
(7 results)