2014 Fiscal Year Annual Research Report
窒化インジウムアルミニウム混晶表面・界面におけるフェルミ準位ピンニングの制御
Project/Area Number |
24560022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
赤澤 正道 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 准教授 (30212400)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | InAlN / Al2O3 / ピンニング / 界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
絶縁体/InAlN界面に対する熱処理がフェルミ準位ピンニング特性に与える影響について調べ、良好な界面を形成する独自の方法を最適化した。原子層堆積(ALD)法によりInAlN上に厚いAl2O3を堆積後に熱処理を行った場合には、窒素雰囲気中400~500℃の熱処理ではAl2O3/InAlN界面の界面準位が低減するが、600℃以上の温度では界面準位が増加することがわかった。一方、界面に極薄Al2O3層を堆積後、高温で熱処理してから再びAl2O3層を厚く堆積する2段階ALD法を採用した場合には、極薄層の熱処理温度が850℃という高温であるにも関わらず界面準位が最も低減した。2段階ALD法において高温熱処理を施す極薄層の膜厚は、1~2nmが適切であることがわかった。極薄層の膜厚がこれより薄い場合には、アニール時の雰囲気ガス中の微量な汚染の影響を受けてInAlN表面が酸化され、界面準位密度も増加した。さらに、ゲート絶縁膜に2段階ALD法を採用したMOSHEMTにおいて、単層のAl2O3層を絶縁体層とするものに比べ、電流-電圧特性や電流コラプス特性においてより良好な特性が得られた。これらを総合的に解釈し、Al2O3/InAlN界面におけるフェルミ準位のピンニングを除去するためには、適切な界面形成プロセスを行った後、熱処理をも適切に行う必要があることがわかった。 また、金属/InAlN界面のショットキー障壁の金属仕事関数依存性を調べ、ショットキーダイオードに対する容量-電圧特性測定により、障壁高さの金属仕事関数依存性が強いことがわかった。
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