2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560069
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高橋 由美子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究員 (70339258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 恭史 日本大学, 理工学部, 教授 (40307799)
平野 馨一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (40218798)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イメージング / 密度 / マクロ構造 / 放射光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、単色X 線を用いた3D イメージングで結晶分布を視覚化し、マクロな結晶状態とミクロな結晶情報の同時取得を可能にする方法の確立を目的とする。 これまで放射光を用いた光学系の作製と密度分解能の評価を行い(H24年度) 通常の光学系で検出できる密度差の測定限界は1.1 g/cm3であるのに対し本光学系では0.1~0.2 g/cm3まで識別できることを確認した。この結果を踏まえて炭素の結晶多形であるダイヤモンド・グラファイト・カーボンブラック混合物の測定を行った(H25~26年度)。密度はそれぞれ3.5、2.3、~2.0 g/cm3である。測定条件を最適化することで3者の識別が可能になり、本手法によって結晶多形の識別というミクロな構造情報とその分布状態観察というマクロな情報を同時に取得できることが分かった。 さらに単結晶試料への応用範囲拡大を図った(主にH26年度)。この場合、CT測定のような3D画像は得られないが、試料深さ方向の感度を変化させた測定によって疑似的に3次元の情報を得ることができた。これにより格子欠陥とマクロな歪場の深さ方向変化を可視化できる。 最終年度(H26年度)は応用実験に注力し、多結晶ではチョコレートの結晶多形の識別、単結晶では炭化ケイ素単結晶の欠陥観察を行った。特に後者はパワーデバイスのプロセス技術として重要なイオン注入による欠陥やマクロ歪の影響を評価する方法として有効であることを確認し、本研究が産業応用の観点からも有意義であることが分かった。
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