2014 Fiscal Year Annual Research Report
多重極ソースモデルを用いた磁場源推定逆問題の直接解法と応用
Project/Area Number |
24560072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奈良 高明 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80353423)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 逆問題 / 磁場源推定 / MEG / RFID / 直接解法 / 荷重積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,磁気双極子が生成する磁場を局部的に観測し,磁気双極子位置を推定する手法に関して,1)磁気双極子位置を係数にもつ磁場に関する新たな偏微分方程式を導出すること,2)これを荷重積分し,線上/面上観測領域の積分量により定位する手法を構築すること,3)上記2)をスマートフォントラッキングに応用すること,4)上記2)を雪崩ビーコン探索手法に応用すること,以上4点を行った. 1)前年度までで,オイラーの同次方程式をdiv演算子を用いて書き直した偏微分方程式を定位に用いる手法を提案した.しかしながらこれを荷重積分するときは体積積分が必要なため,観測領域は三次元領域が必要であった.そこで本年度は,オイラーの同次方程式にマックスウェルの方程式を組み込むことで,grad演算子,およびrot演算子を用いた偏微分方程式を導出した. 2)次にこれらを線上,もしくは面上で荷重積分することで,双極子位置に関する線形方程式を導出した.このとき必要な観測量は,線上もしくは面上での磁場の荷重積分であり,前年度までの手法に比べ,観測領域をコンパクトにできるという大きな利点を有する. 3)第一の応用として,スマートフォン内にあるスピーカーの磁石を磁気双極子ソースとしてその位置と姿勢を推定するため,16個のMagnetic Impedance(MI)素子を直線状にならべたセンサを用い,grad型拘束式の荷重積分による定位を行った.提案手法による解を初期解とし非線形最適化を施すことで,80x80mmの領域内で平均誤差3.4mmで定位した.三次元マウスへの応用が可能と考えられる. 4)第二の応用として,雪崩ビーコンを磁気双極子とみなし,円周上センサアレイを用い,grad型およびrot型拘束式を用いた位置推定手法を開発した.深さ1m, 半径0.4mの円周上でビーコンを動かし,定位誤差は0.16mで定位した.
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