2012 Fiscal Year Research-status Report
建築構造詳細解析の高速化のためのファイバーコースグリッドMG法の開発
Project/Area Number |
24560080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮村 倫司 日本大学, 工学部, 講師 (30282594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 大吾郎 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (00262121)
山下 拓三 独立行政法人防災科学技術研究所, その他部局等, 研究員 (40597605)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マルチグリッド法 / 梁要素 / ファイバー / ソリッド要素 / 大規模並列計算 / 有限要素法 / 骨組構造 / 共役勾配法 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画の項目別に研究実績を整理する. 「弾性はりに対するRestrictionおよびProlongation演算の開発・実装」,「接合部に対するRestrictionおよびProlongation演算の開発・実装」を目的とした基礎的な検討として,4層鋼構造骨組モデルに対して,ソリッド要素によるメッシュを用いた解析モデルと,梁要素を用いた骨組解析モデルによる地震応答解析結果を詳細に比較し,両モデルのverificationを行った.両者の結果は良好に一致する.しかし,応答のピークには差異がみられ,また,非線形応答後の弾性的な振動領域においても差異が見られる.単純な片持ち梁の微小変形弾性解析では,ソリッド要素による解析結果(変位および応力を断面方向に積分することで求めた合応力,曲げモーメント)は,連続体退化型線形チモシェンコ梁要素による結果と良好に一致することを確認した.更に,ソリッド要素による解析において適切なメッシュの詳細度の調査も行った. 「ファイバー付ソリッド要素詳細メッシュのデータフォーマット,入出力プログラム作成」について,先に述べたソリッド要素による片持ち梁の解析問題において,曲げモーメントを求めるために必要な断面情報等について整理し,それに基づき,プログラムを試作した.節点位置に応力を外挿してから積分してモーメントを求める方法と,要素中心の応力を内挿してから積分してモーメントを求める方法についてプログラムを作成し,両者を比較した. 「ファイバー付ソリッド要素詳細メッシュの試作」について,2層立体骨組のソリッド要素によるメッシュを試作し,各部材について曲げモーメントの計算を行った.各部材は要素グループにより区別し,各要素グループ毎に通り芯の始点と終点,断面方向ベクトルを入力するようにしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ソリッド要素による解析結果から,Restriction演算に相当する曲げモーメント,合応力を求めるプログラムは完成しているものの,Prolongation演算に相当する曲げモーメント,合応力から応力を求め,ソリッド要素の積分点の応力に戻すプログラムが完成していない.そのため,ファイバーコースグリッドMG法のテストプログラムも完成しておらず,当初の計画が達成されていない.一方,ファイバー付ソリッド要素詳細メッシュのデータフォーマット作成および,その試作には成功しており,ほぼ計画を達成しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
弾性問題に対するファイバーコースグリッドMG法のプロトタイプコードを早急に開発し,研究の道筋を明確にする.その上で,平成25年度の研究実施計画の項目である塑性ヒンジモデルを組み込んだファイバーコースグリッドによる弾塑性問題への拡張についての検討を始める.ファイバー付ソリッド要素詳細メッシュの作成に関しては,今年度既に平成25年度に予定していた骨組モデルの作成まで完了しているため,ファイバーコースグリッドMG法コードの試作により多くの時間をかける.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Verification用のシミュレーションコード,可視化ソフトウェア,メッシュ生成ソフトウェアの年間ライセンスを購入する.また,英語論文の英文校正費,APCOM2013における発表のための旅費,研究分担者との打ち合わせのための旅費を計上する.入出力データの保存をするためのハードディスク,解析結果の可視化用のノートPCを購入する.研究用の図書を購入する.テスト用のメッシュ作成について業務委託を行う.
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Research Products
(6 results)