2012 Fiscal Year Research-status Report
遮熱コーティングシステム材の高温共鳴超音波弾性計測に基づく界面損傷評価法の開発
Project/Area Number |
24560084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
脇 裕之 岩手大学, 工学部, 准教授 (30324825)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遮熱コーティング / 弾性係数 / 損傷評価 / 共鳴超音波スペクトロスコピー / 高温 / はく離 |
Research Abstract |
遮熱コーティングの界面近傍の複雑な損傷過程とはく離機構の解明に寄与するため,コーティング直下の損傷状態を非破壊でその場評価できる手法を開発することを目的とした.基材一体のコーティングシステム材のコーティングの弾性係数を共鳴超音波スペクトロスコピー(Resonance Ultrasound Spectroscopy: RUS)により評価し,その見かけの弾性係数の変化から損傷を評価する手法の開発を行った.開発したシステムは熱サイクル負荷も与えることができ,熱サイクルの繰返しによる界面の損傷発達過程を明らかにすることも目標としている.本年度の成果は以下のようにまとめられる. 1.RUSにより,高温下におけるコーティングの全方向弾性係数を基材一体のシステム材のまま計測する手法を構築した.これにより,損傷が無い健全な大気プラズマ溶射CoNiCrAlYおよび大気プラズマ溶射遮熱コーティングYSZの全方向弾性係数を基材一体のまま評価できた. 2.FEM解析により様々な損傷が発生したときに生じる共鳴周波数の変化や見かけの弾性係数の変化を計算し,各種損傷(一部縦割き裂,一部界面はく離,一部皮膜脱落)に対応する見かけの弾性係数の変化を明らかにした. 3.本手法の有効性を確認するため,人工欠陥(一部皮膜脱落)を導入した遮熱コーティングシステム試験片で損傷評価を試み,RUSによるコーティングの見かけの弾性係数の変化と上記2のFEM解析結果との対応により損傷評価できることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共鳴超音波スペクトロスコピーにより,高温下におけるコーティングの全方向弾性係数を基材一体のシステム材のまま計測する手法を構築した.またコーティングの見かけの弾性係数の変化を基に損傷評価できることを,FEM解析および人工欠陥導入試験片より確認できた.これらは概ね当初の計画どおりである.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果で共鳴超音波スペクトロスコピーによるコーティングの見かけの弾性係数の変化を基に損傷評価できることが分かったが,本手法の損傷の検出能力を評価するため,各種人工損傷を導入した試験片で損傷評価を行う.損傷の規模と見かけの弾性係数の変化は比例的ではないため,各種損傷と見かけの弾性係数の変化を関連付ける詳細なマッピングをFEMにより作成する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の予算の繰り越しは主に物品費で生じた.実際の損傷評価用の遮熱コーティング試験片作製を主に平成25年度に行うことにしたためである.繰越金は平成25年度の主に物品の購入費に充てる.平成25年度の予算は,損傷評価用遮熱コーティング試験片や損傷観察用試料作製,加振用の圧電素子などの物品費,学会発表などの旅費,などを予定している.
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