2012 Fiscal Year Research-status Report
2次電池を有するチタバリ系電子複合材料の性能評価とワイドバンドギャップ化
Project/Area Number |
24560085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成田 史生 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10312604)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 圧電強度・機能学 / 数値シミュレーション / 材料試験 / 電子複合材料 / 2次電池 / 電場・力学場相互干渉 / スマート材料システム / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
本研究は,電子複合材料のワイドバンドギャップ化(高効率・非電力化)を目指し,2次電池を有するチタバリ系電子複合材料の性能に及ぼす材料・構造の影響を数値シミュレーション・実験両面から解明するものである.本年度は,検知・駆動用電極を有するチタン酸バリウム積層カンチレバーを取り上げ,圧電検知・応答挙動に関する理論的・実験的研究を進めている.また,高性能なチタバリ系電子複合材料を見出すため,検知・応答挙動に関するフェーズフィールドシミュレーション法(点欠陥考慮)の開発も進めている.得られた成果を要約すると以下の通りである. 1. 検知・駆動用電極を有するチタン酸バリウム(BaTiO3)層と銅(Cu)板からなるBaTiO3/Cu積層カンチレバーを作製し,交流電場を負荷して,先端たわみおよび出力電圧を計測した.また,有限要素解析を行い,先端たわみおよび出力電圧を求めて,実験結果に理論的検討を加えた.さらに,BaTiO3/Cu積層カンチレバーのたわみ・応力及び出力電圧・電力の交流電場・負荷抵抗依存性について検討中である. 2. チタバリ系強誘電材料を取り上げ,微視構造の適切なモデル化を行い,熱力学及びGinzburg-Landau理論に基づく結晶粒成長フェーズフィールド解析プログラムを開発・応用して,点欠陥導入による検知・応答機能向上について解明・考察中である. 3. 検知・駆動用電極を有するチタン酸バリウム層とリチウムイオン2次電池薄膜からなるチタン酸バリウム積層カンチレバーの圧電検知・応答及び発電・蓄電挙動解明を目指し,基礎的研究を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BaTiO3/Cu積層カンチレバーの圧電強度・機能評価法を開発し,出力電圧解明に成功している.また,出力電力に関する基礎データを取得している.
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Strategy for Future Research Activity |
2次電池を有するBaTiO3/Cu積層カンチレバーの性能評価を行い,自己検知・記憶・応答機能を有する電子複合材料の設計指針提供を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費については,2次電池を有するBaTiO3/Cu積層カンチレバーの性能評価を行うため,試験片・治具や消耗品の購入経費,リチウム電池起電力計算シミュレータのバージョンアップ経費として効果的に使用していく予定である.
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Research Products
(1 results)