2014 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロースを用いたナノC/Cコンポジットの摩擦・摩耗特性
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24560086
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小沢 喜仁 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (00160862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 嗣 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00154261)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 材料設計 / プロセス / 物性・評価 / 摩擦摩耗特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本報告では,C/Cコンポジットの更なる性能の向上を目的に,BCとフェノール樹脂に第3成分として竹炭を添加し,焼結温度の異なるSiC-C/Cコンポジットを成型した.摺動材としての性能を評価した.SEM観察をもとに摩耗現象についてモデル化を行い,これを用いて弾性数理解析を実施して基礎的な知見を得た.また,大学イノベーションに出展して試作品展示と技術紹介を行っている.得られた主な知見は次の通りである. (1)BCを砕き,竹炭粉についてもミクロンオーダーにまで粉砕して材料中に有効に混合し,含浸の初期段階で脱気を行うことで均質性に優れた材料を成型する手法を開発し, SiC-C/Cコンポジットを得た. (2)SiC-C/Cコンポジットの摺動試験を行った結果,比摩耗量,動摩擦係数においてNano-C/Cコンポジットよりも優れた結果を得られることが分かった.これは炭素繊維と竹炭との相互作用による効果だと考えられる.ビッカース硬さ試験の結果からSiC-C/CコンポジットはNano-C/Cコンポジットよりも硬度が高くなる傾向にあることが分かった.これは竹炭粉が繊維間で作用し,圧子に押し広げられないように抵抗しているためと考えられる. (3)摺動試験後のSiC-C/CコンポジットのSEM観察の結果,焼結温度が低いほど表面の炭素が削られ繊維が露出してくるが,焼結温度が高いと繊維とフェノール樹脂がより一体化し繊維が露出してくることが少なくなった.また,クラックの隙間にBC由来の繊維が確認でき,ファイバーブリッジング効果によりクラックの伝播を抑制している様子が確認できた.摩耗粉や被摺動面のSEM観察の結果から,焼結温度が1173Kの時は相手材に対して試験片が硬すぎることから摺動面を削り取っていることが分かった.摺動材として実用的な使用をする場合は焼結温度の違いによって相手材を選択する必要がある.
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Research Products
(8 results)