2014 Fiscal Year Annual Research Report
多軸変動負荷に対応した疲労強度評価モデルおよび疲労強度設計支援解析ツールの開発
Project/Area Number |
24560092
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊藤 隆基 立命館大学, 理工学部, 教授 (40242581)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 疲労 / 低サイクル疲労 / 多軸応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空機や高速鉄道車両、原子力機器などの実機を構成する部材では、繰返し荷重の応力・ひずみが複雑に変動する多軸負荷(非比例多軸負荷)を受けることが多い。しかしこのような負荷に関して、その多軸応力・ひずみ状態や損傷状態を適切に評価する手法は未だ確立されていない。そこで本研究では、研究代表者の非比例多軸負荷における一連の疲労強度研究の基礎的な成果を基に、構造機器・部材の疲労に関する実設計・開発および維持管理の現場への応用を強く意識した、多軸疲労強度評価ツールの開発を行った。 非比例多軸負荷における応力・ひずみの評価手法として、サイクル中で最大値をとる主応力ないし主ひずみ面に着目して主軸の方向変化量を定量化し、それに基づいた多軸疲労寿命評価モデルとしてIS(Itoh-Sakane)損傷評価手法を提案している。それを三軸応力・ひずみ状態に適用できるように拡張した。この改良IS法は、多軸疲労設計・評価を行う上で応力・ひずみの状態を機械的に計算できるたいへん便利な手法である。さらに、同手法を強度設計の現場の技術者により使い易くするために時系列の応力・ひずみの振幅や同主軸方向の変化の度合いをビジュアル的に示すことができる解析ツールを製作した。本解析ツールは、複雑な繰返し多軸変動負荷状態を単軸の繰返し変動負荷に変換し、従来の繰返し変動負荷と同様の強度評価ができるようになっており、これにより研究者・技術者らは、多軸負荷に関する特別な知識や判断を要することなく疲労強度評価が可能となった。 今後の課題として、開発した解析ツールを実用化に繋げるための改良と強化を施し、応力・予測寿命などを簡便に評価できる実用性の高い改良版の多軸疲労強度設計解析ツールへの展開が必要であるが、本研究成果ではその基礎が構築できた。
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