2013 Fiscal Year Research-status Report
ゲル材料の膨潤分岐座屈解析のための理論構築と検証及び応用
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24560096
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 大 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70362283)
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Keywords | ゲル材料 / 膨潤 / 座屈 / 不安定 |
Research Abstract |
当初の研究計画にしたがって,予負荷を受ける円孔ゲル薄膜の膨潤座屈解析を行った.なお,昨年度の予負荷がない場合の予備解析の結果は,国内学会で発表するとともに,7月にはアメリカ・プロビデンスで開催されたSES2013で,12月にはシンガポールで開催されたAPCOM2013でそれぞれ口頭発表を行った.また,国際雑誌International Journal of Solids and Structuresに論文を投稿し掲載された.この研究の拡張として,予負荷を受ける場合の解析を行ったところ,予負荷による座屈パターンの変化は膨潤誘起不安定に特有の現象であることがわかった.すなわち,単軸引張として与える予ひずみ量に依存して座屈パターンが変化するのは次のような理由である.まず,パターン化は予ひずみの大きさに関わらず,ダイアモンドプレートパターンである.しかし,予ひずみはパターン化の開始を遅らせるように作用する.したがって,予ひずみが大きくなると膨潤平衡までにダイアモンドプレートパターンへの変態が完了できなくなる.このときの過渡的状態として,多様な座屈パターンは生じる.この研究成果は,次年度の国内会議及び国際会議において発表予定である.また,現在,国際雑誌への論文投稿に向けて,原稿を執筆中である.なお,平成24年度から進行中の膨潤を考慮した超弾性体材料モデルの高精度化に関する研究については,今年度,進展が見られたが,まだ公表段階にはなく引き続き研究を進めたい.来年度に実施予定のゲル膜の膨潤誘起座屈パターンの解析については,すでに予備解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画にしたがって,予負荷を受ける円孔ゲル薄膜の膨潤座屈解析を行い,「研究業績の概要」に示すように,満足のいく結果が得られた.ただし,昨年度から取り組んでいる膨潤を考慮した超弾性体材料モデルの高精度化に関する研究については,さらに進展しているものの成果を残すことができていない.したがって,これらの点を考慮してこのように達成度を評価した.次年度には,今年度得られた成果を積極的に学会で発表し,論文として成果を残すとともに,次年度の研究計画に鋭意取り組みたい.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度で述べたように,理論的には高精度な構成式開発に注力するとともに,並行して,当初の予定通りに,ゲル膜の膨潤誘起座屈パターン解析に取り組みたい.
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Research Products
(5 results)