2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル材料の膨潤分岐座屈解析のための理論構築と検証及び応用
Project/Area Number |
24560096
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 大 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70362283)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲル / 膨潤誘起座屈 / パターン変態 / ゲルのモデリング / 膨潤平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,前年度の解析によって得られた円孔を有するゲル膜の膨潤誘起座屈パターンへの予ひずみの影響について,国内学会で発表するとともに,6月にミシガン州立大学にて開催されたUSNCTAM2014でも口頭発表を行った.また同時進行で,論文を執筆・投稿し,国際雑誌International Journal of Solids and Structures に掲載された.概要については,前年度の研究実績の概要にて説明済みであるため,ここでは省略する.これまでの研究ではFlory-Rehnerの自由エネルギー関数を変数変換したモデルを解析に用いており,このモデルの高精度化は本研究の目的のひとつであった.しかし,本研究での解析対象であった円孔を有するPDMS膜と溶媒としてのトルエンの組み合わせは,予ひずみの影響を考慮しても,Flory-Rehnerモデルによっておおよそよい一致を示すことがわかった.このため,本研究では,Flory-Rehnerモデルの高精度化を進めてはいたが,業績として発表するには至らなかった.Flory-Rehnerモデルでは精度がでない解析対象は多く存在するので,この研究は別の形で継続したい. 最後に本研究課題では,ゲル膜に生じる膨潤誘起分岐座屈現象の機構解明や予測を目的として,解析モデルの構築及び実験との比較により検証を行った.膨潤誘起座屈は一般的な外力や熱ひずみなどによって生じる座屈と異なり,溶媒の吸収という自発現象が内部圧縮応力の増加の駆動力となり,膨潤平衡によってそれ以上の内部圧縮応力の増加が制限されるため,座屈過程において膨潤平衡に達すると生じる座屈パターンが複雑化することがわかった.このような解析は,これまでに報告されておらず,本研究課題で得られた成果のひとつであり,用いた解析アプローチは今後,さまざまな問題の解析に適用されることが期待される.
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Research Products
(7 results)