2013 Fiscal Year Research-status Report
せん断型疲労き裂進展に及ぼす環境の影響解明と大型風力発電機増速機疲労設計への応用
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24560103
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱田 繁 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90432856)
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Keywords | 金属疲労 / モードII / 破面解析 / 転がり疲労 |
Research Abstract |
せん断型疲労き裂進展機構解明を目的として,以下の項目を実施した. (1)昨年度実施した試験結果の詳細検討および今年度実施した数値シミュレーションにより,有効応力拡大係数範囲の特定の為には,破面の凹凸の影響を考慮する必要があることを見いだした.そして,せん断型疲労き裂進展に影響を及ぼす要因として,従来から指摘されている破面に作用する摩擦力の影響に加えて,破面の凹凸によって発生する力の影響を加えた,力学モデルを構築した.(2)構築した力学モデルにより,負荷と試験片に発生するひずみ挙動の関係を予測し,その妥当性を疲労試験によって検証した.検証には昨年度製作したアナログ引算回路による,試験片に発生するひずみ解析システムを適用した.適用の際に非常に小さな差分を検出することが必要であることが判明したので,ノイズを除去し測定の高精度化を実施した.(3)せん断型疲労き裂進展における,破面の凹凸を含む摩擦の影響の定量的評価を実施し,有効応力拡大係数範囲を実測した.従来発表されている複雑な試験装置により摩擦の影響を機械的に除去した試験によって得られたき裂進展挙動との比較を行ない,本研究の測定結果が妥当であることを確認した.また,せん断型疲労き裂進展に伴う,有効応力拡大係数の変化が確認された.これは破面の摩耗による変化であることが推測され,来年度解明する.(4)6月に,破壊に関する国際会議(13th International Conference on Fracture (ICF13))に出席し成果を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画をほぼ達成できたが,研究計画に挙げていた実機損傷調査を実施できていないため,現在までの達成度を(2)とした.
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Strategy for Future Research Activity |
せん断型疲労き裂進展機構解明を行なう.き裂の進展には塑性変形が大きな役割を果たすので,せん断型疲労き裂進展破面および破面近傍についての結晶組織の塑性変形を透過型電子顕微鏡もしくはEBSD法によって観察し,せん断型疲労き裂進展機構を解明する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を行なう前に数値解析により確認が必要な事項が判明したため,来年度実施予定の数値解析を本年度実施した.そのため,本年度実験に使用予定の実験に要する予算が消費できなかった. 本年度に実施予定であったが,来年度に実施することになった実験に使用する.
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Research Products
(2 results)