2013 Fiscal Year Research-status Report
ショットピーニングによる疲労破壊制御技術に関する研究
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24560105
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
黒田 雅利 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (00432998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 貢一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 主任研究員 (10231820)
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Keywords | 原子力材料 / 疲労 / ショットピーニング / 表面処理 / 残留応力 |
Research Abstract |
原子炉の安全性研究を推進する上で、ショットピーニング等の表面処理により疲労破壊を制御することが可能となる技術の開発が求められている。一般に、疲労強度は材料の表面状態に強く影響されることが知られている。本研究では、ショットピーニング等の表面処理の条件から疲労強度を評価できるシステムの構築を目的とする。本年度は主に、疲労試験片の作成とその表面特性評価を実施した。材料には前年度と同様、市販の316系ステンレス鋼を用いた。まず適当な旋盤加工条件(送り速度・切込深さ)を3種類決定し、その条件に従って旋盤加工を実施することで、表面状態を変化させた小野式回転曲げ疲労試験片を作成した。また同様に、適当なショットピーニング条件(ショット粒径・噴射圧力)を6種類決定し、その条件に従ってショットピーニングを実施することで、表面状態を変化させた小野式回転曲げ疲労試験片を作成した。次に、表面粗さ計、硬度計、X線残留応力測定装置を用いて、旋盤加工およびショットピーニングを施した疲労試験片表面の粗さ、硬さ、残留応力の測定を行った。これらの測定した値を、前年度の研究で得られた応答曲面モデルから予測した値と比較した。その結果、疲労試験片表面の粗さ、硬さ、残留応力の予測値は、実測値と概ね一致する傾向があることを示した。以上より、旋盤加工条件やショットピーニング条件を制御することで、ステンレス鋼の小野式回転曲げ疲労試験片の表面状態を概ね制御できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では昨年度と同様、表面処理材としてショットピーニング材のみを想定していたが、比較として旋盤加工材を取り入れたことにより、当初の計画以上の成果が得られた。しかし当初計画していたEBSD解析の進捗がやや滞っているため、全体として「おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究課題の最終年度となるため、総括や論文投稿準備も併せて行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画では年度末に疲労試験のための材料を購入する予定であったが、研究費が不足したため本年度予算残額を次年度に繰越した。 疲労試験のための材料購入費の一部に充当する予定である。
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