2012 Fiscal Year Research-status Report
接着接合構造体のための長期安定型SHMシステムの開発
Project/Area Number |
24560115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
日下 貴之 立命館大学, 理工学部, 教授 (10309099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 泰稔 立命館大学, 理工学部, 助教 (20372667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 損傷力学 / ヘルスモニタリング |
Research Abstract |
本研究は,材料工学的な観点から外力にPZT素子の圧電特性劣化のメカニズムを解明すること,高ひずみ下においても圧電特性劣化が小さい安定性に優れたPZT素子を開発すること,PZT素子の圧電特性劣化を補完できる信頼性に優れたSHMシステムを開発すること,開発したSHMシステムをCFRP接着接合部材の損傷診断に応用し実用化すること,などを目的としているが,平成24年度については,①PZT素子のその場観察試験,②PZT素子の微視的構造解析,③PZT素子のメゾ構造設計,④PZT素子の試作と性能評価を行うことを試みた.①,②に関しては,PZT素子を貼付したCFRP積層板に引張荷重を与えながらPZT素子の切断面をその場観察することによって,素子の微視的損傷の状況と見かけ上の圧電特性の変化との関連性を明らかにすることを試みた.その結果,荷重方向に直交する面に平行にPZT素子に微視損傷が発生するとともに,電極付近で剥離型の損傷が発生し,見かけ上の圧電特性の低下が起こることが明らかになった.このような結果を受けて,③,④に関しては,PZT素子に電極を兼ねた応力遮蔽板を接合することによって,PZT素子の見かけ上の強度を改善することを試みた.また,その際,応力遮蔽板を加熱接合することによって,PZT素子に圧縮残留応力を導入し,PZT素子の見かけ上の引張強度を改善することを試みた.その結果,応力遮蔽板を使用しないPZT素子に比べて,見かけ上の強度特性を大幅に改善できることが明らかになった.さらに,有限要素法による損傷解析および圧電解析を実施し,強度特性向上のメカニズムを考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画で予定していたX線CTによる観察や光造形法による試作については,他の簡易な手法で代用できることが明らかになったため省略した.一方,当初の計画で予定していなかった有限要素法による損傷解析や圧電解析を実施し,圧電特性劣化のメカニズムについて,より詳細に考察することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は,当初の予定どおり,応力波伝播挙動の数値解析,損傷診断ソフトウェアの開発,CFRP接着接合試験体の試作と試験,損傷診断システムの性能評価などの課題に取り組む予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)