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2012 Fiscal Year Research-status Report

スパッタエッチングにより作製した多機能微細突起物の表面硬化と強度評価

Research Project

Project/Area Number 24560117
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionHiroshima Kokusai Gakuin University

Principal Investigator

中佐 啓治郎  広島国際学院大学, 工学部, 教授 (80034370)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsスパッタエッチング / 微細突起物 / 表面硬化 / 強度評価
Research Abstract

スパッタエッチングにより作製した微細突起物は、摩擦搬送用のロール、光吸収材料、超撥水性表面、光反射防止膜製造用の型など多方面に利用できる。これらの機能性を長期間にわたり保証するためには、突起物の耐久性向上が必須である。本年度の目標は、微細突起物の表面をプラズマ窒化により硬化させることである。
まず、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS316)、マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS420J2)および高速度鋼(SKH51)について、電力を250Wとし,アルゴンイオンでスパッタエッチングを行った。その結果、SUS420J2では、スパッタエッチング時間が1~3時間の範囲で、数ミクロンメータの大きさの円錐形突起物が安定に形成されることが分かった。SUS316およびSKH51試料では、スパッタエッチングにより寸法が1ミクロンメータ以下の微細な柱状突起が形成され、簡易分光色差計で測定した可視光線の吸収率は95%以上であった。したがって、摩擦搬送用のロール材には、SUS420J2が適し、光吸収表面・超撥水表面・型などには、SUS316およびSKH51が適している。
つぎに、上記材料の平滑試料(突起物なし)について、電力150~200W、窒化時間2~4時間としてプラズマ窒化処理を行うと、マイクロビッカース硬さが3~5倍に増加することを確かめた。そこで、各試料を1時間スパッタエッチングして表面に微細な突起物を形成させたのち、直ちにプラズマ窒化処理を行った。これらの突起物のマイクロビッカース硬さは、押し込み深さが突起物高さを超えない範囲では,プラズマ窒化処理により大きく上昇する(同じ押し込み荷重に対して突起物の押し倒された数が少ない)。このように、プラズマ窒化により突起物表面が硬化することから、突起物の耐摩耗性が向上する可能性があることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度の計画では、プラズマ窒化した突起物のスクラッチ試験により、SUS420J2で形成される円錐状突起物の引き倒し強さを測定する予定であったが、これはまだ行っていない。この理由は、大学所有の走査型電子顕微鏡(SEM)の制御部が故障したためメーカに修理を依頼したが、SEMの製造から15年が経過していたため制御基板の在庫がなかった。このため、基板の新規作製を依頼したが、これには時間がかかるとの返事であり、まだSEMの修理は完了していない。サンプルの微細突起の形状が円錐形で高密度であることをSEMにより確認したのちに、ナノスクラッチ試験を外部に委託する予定であったが、それが不可能になった。このため、外部委託費は25年度に残した。

Strategy for Future Research Activity

プラズマ窒化により突起物の表面硬さが増加することが分かったので、25年度はその実証試験として、計画通り、高分子膜のピール試験および高分子への押し付け試験により、突起物の耐摩耗性・耐久性を調べる。それと同時に、SUS316およびSKH51について、突起物を反射防止膜製造の型として用いる場合の離型性および反転膜の光吸収特性と突起物の形状との関係を調べる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

SEMの修理が終了した時点で、早急に突起物試料の観察・確認を行って、スクラッチ試験を依頼し突起物の引き倒し強度を測定する。またその試料について、突起物が引き倒され変形した様子をSEMで観察する。もし、SEMの制御基板の作製が長引く場合には、広島県西部工業技術センタなどの他の研究機関のSEMの使用を考える。その際、SEM使用料の支払いが必要かもしれないが、前年度の研究費残額および25年度の研究費で十分まかなえ、25年度の研究計画遂行の妨げにはならない。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 中佐啓治郎(広島国際学院大学 )のホームページ

    • URL

      http://www006.upp.so-net.ne.jp/nakasa/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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