• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

放射光CTを適用した総合的非破壊モニタリングによる実装基板の信頼性評価技術の開発

Research Project

Project/Area Number 24560120
Research InstitutionToyama Industrial Technology Center,

Principal Investigator

佐山 利彦  富山県工業技術センター, 機械電子研究所 電子技術課, 主幹研究員 (40416128)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 釣谷 浩之  富山県工業技術センター, 機械電子研究所 機械システム課, 主任研究員 (70416147)
Keywords高密度実装 / 電子デバイス・機器 / モニタリング / 信頼性設計 / 放射光CT
Research Abstract

実際の電子基板におけるマイクロ接合部を対象とし、放射光X線マイクロCTを用いて、同一の接合部を継続的に非破壊モニタリングすることによって、その接合部の余寿命を診断する新しい概念の信頼性評価技術の実現を目的としている。この実現のため、放射光X線マイクロCTを応用した二つの要素技術、 (1)デジタル体積相関法による3Dひずみ分布の可視化技術、(2)ラミノグラフィを応用した非破壊観察技術、の開発を進めた。
1. 研究内容・成果 (1)放射光X線マイクロCTを用いて、同一のマイクロ接合部において負荷状態の異なる2つの状態を撮影した画像から、ひずみ分布の計測を行った。その結果、Ag3Sn相などの微細な金属組織が見られる場所や、異なる材質同士の境界付近のような画像に特徴的なパターンが表れる場所では、非破壊による3次元のひずみ分布の計測が可能であるという成果が得られた。 (2)ラミノグラフィ技術の開発によって、平板状の基板内のマイクロ接合部を完全に非破壊で観察することが可能となった。FPBA (Fine pitch Ball Grid Array)のはんだバンプに対して、その内部におけるき裂進展過程を定量化し、非破壊による余寿命評価が可能となった。
2. 有用性・意義 エレクトロニクス業界ではパワーモジュールをはじめとして、電子機器の各種デバイスの接合部における信頼性評価技術に対するニーズは非常に高い。本モニタリング技術の開発により、これまで産業用CTでは不可能であった電子基板の完全な非破壊での、疲労き裂やひずみの継続観察、評価が可能となったことの工学的意義は非常に大きい。開発した手法は、まさに電子機器業界のニーズにタイムリーに応えるものであり、将来、関連企業製品の高度化、信頼性向上に大きく貢献することが期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

デジタル体積相関法によるひずみ分布の可視化については、特徴的なパターンが表れる場所に限定されており、観察領域全体のひずみ分布を補間推定するアルゴリズムの開発が完了していないため、予定よりもやや遅れが出ている。しかし、ラミノグラフィ技術の開発を前倒しで実施しており、実際の電子基板において、疲労き裂やボイドの表面積が計測可能な高画質の断層画像が得られており、定量的な評価が可能となっている。このため、研究全体としては、おおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

(1)デジタル体積相関法による、ひずみ分布の可視化アルゴリズムを完成させる。
熱サイクル負荷をかけたはんだ接合部において得られた高分解能なCT画像を用いて、ひずみ分布の可視化アルゴリズムを完成させる。
(2)マイクロ接合部における熱疲労損傷過程を解明する。
実基板のマイクロ接合部、特に鉛フリーはんだ(Sn-Ag-Cu系)接合部における熱疲労損傷の過程について、同一試料内の組織、ひずみ分布、および疲労き裂の変化を、総合的、継続的に非破壊観察し、その機構について定量的な解明を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

国際学会への参加旅費が見積りよりも安くなったため、次年度使用額が僅かに発生した。しかし、研究費は概ね計画どおり執行している。
最終年度は、研究分担者の釣谷が本研究に参画できないので、連携研究者の協力を得て、研究を遂行する。最終年度の研究費は、デジタル体積相関法によるひずみ可視化技術および、ラミノグラフィ技術の開発のための実験を追加で行うため、主に大型放射光施設SPring-8での実験費用、旅費、実験資材の調達に使用する。また、国内外の学会、会議において研究成果発表を行うため、参加費や旅費にも使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 放射光X線ラミノグラフィを用いたフリップチップはんだ接合部における熱疲労き裂進展過程のモニタリングの可能性評価2014

    • Author(s)
      釣谷浩之
    • Organizer
      第28回エレクトロニクス実装学会春季講演大会
    • Place of Presentation
      拓殖大学
    • Year and Date
      20140305-20140307
  • [Presentation] Nondestructive observation of fatigue crack propagation process in some solder joints by synchrotron radiation X-ray micro-tomography2013

    • Author(s)
      Hiroyuki Tsuritani
    • Organizer
      IEEE CPMT Symposium Japan 2013
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      20131111-20131113
  • [Presentation] 放射光X線を光源とするマイクロCTおよびラミノグラフィによるはんだ接合部における熱疲労き裂の検出能力2013

    • Author(s)
      釣谷浩之
    • Organizer
      日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス
    • Place of Presentation
      岐阜大学
    • Year and Date
      20131011-20131014
  • [Presentation] Application of synchrotron radiation X-ray laminography to nondestructive evaluation of the fatigue crack propagation process in flip chip solder joints2013

    • Author(s)
      Hiroyuki Tsuritani
    • Organizer
      ASME InterPACK2013
    • Place of Presentation
      San Francisco
    • Year and Date
      20130716-20130718

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi