2014 Fiscal Year Annual Research Report
固体イオン交換法によるガラス中への金属微粒子分散過程の解明とレーザ加工への応用
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24560125
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松坂 壮太 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30334171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昇 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30239660)
比田井 洋史 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60313334)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガラス / イオン交換 / ナノ微粒子 / マイクロ加工 / 光学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,主に以下の2つの項目について研究を実施した. [1] 短パルスレーザ照射処理による金属微粒子の存在形態制御:電圧印加によって金属添加を行った試料に対して,赤外ナノ秒パルスレーザを照射することによって金属微粒子の形態を変化させ,ガラス基板の光学特性制御を試みた.照射エネルギーおよび照射回数を変化させて実験を行い,光学特性を変化させるために必要なエネルギー閾値を明らかにした.また,複数回の照射を行った領域のTEM観察により,ガラス表面のごく近傍に微粒子濃度の異なる3層構造が形成された結果,光学特性が変化することが分かった.[2] 逆電圧印加によるガラス内金属相析出メカニズムの検討:昨年度と同様,電圧印加によって銀添加を行った試料に対して,逆方向の電圧印加を行いガラス内部に銀相を析出させた.今年度は特に,逆電圧印加時間を変化させて銀相の成長挙動を観察した.その結果,ガラスと銀箔の接触領域から銀添加領域の最深部に向かって,電場の方向に沿って銀相が成長することが分かった.また,この金属相をガラス内部配線として利用するため,線幅の微細化限界に関する調査を行った.現状では線幅0.5 mmの形成が可能であり,今後,さらなる微細化を目指して金属の添加方法等の最適化を図る. これらの内容を含めて,期間全体(3年間)を通じた主な研究成果として,以下の3点が挙げられる. [1] 金属イオン添加後の後処理によりガラス内部に分散する金属微粒子の形態制御を行い,光学特性との関係を明らかにした.[2] 電位勾配の存在するガラス中でのイオンの拡散・ドリフト挙動の数値解析を行い,添加元素濃度プロファイルを正確に予測可能な数値解析システムを構築した.[3] 添加時とは逆方向の電圧印加を行うことによってガラス内部に金属相が析出する現象を見出し,ガラス内部微細配線技術への適用性を検討した.
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Research Products
(2 results)