2013 Fiscal Year Research-status Report
炭素繊維強化複合材料と耐熱超合金の金属中間層を用いた高品位異材接合
Project/Area Number |
24560126
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池庄司 敏孝 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40302939)
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Keywords | 炭素系複合材 / 耐熱合金 / 超合金 / ろう付 / 高温接合 / 応力緩和 |
Research Abstract |
C/C複合材とNi基耐熱超合金の異材間高温ろう付における熱膨張係数(CTE)差による残留応力の問題をNb箔中間層を挿入による応力緩和を試みた. Nb箔の厚さが200‐300µm程度でせん断継手強度が15MPa程度で最強なることが示された.また,界面組織SEM観察を行い,EPMA元素分析を行ったところ,Nb箔が溶出しC/C複合材表面に偏析していることが明らかになった.NbがC/C複合材表面で炭化物を形成してろう材/C/C複合材界面で強固な結合を得ることに寄与していると考えられた [1] [2]. C/C複合材とNi基耐熱超合金の異材間ろう付に用いる高温ろう材としてNi-Cr-Nb-Si系合金の試作を行った.DTA試験,金属組織のSEM観察,EDX分析を行った.試作合金は共晶だったがビッカース硬さ試験の結果200HV1.0程度で箔状に加工することも可能だった.ぬれ広がり試験を行った結果,C/C複合材とNi基耐熱超合金に対して良好なぬれを示した.この試作ろう材を用いてC/C複合材/Inconel-600のろう付継手を作成し接合強度を調べた[3]. [1] Toshi-Taka Ikeshoji, Tatsuya Tokunaga, Akio Suzumura and Takahisa Yamazaki, “Brazing of C/C composites and Ni-based alloy using interlayer,” IOP Conference Series: Materials Science and Engineering, IJST2013 (2013), accepted. [2] Toshi-Taka Ikeshoji, Tatsuya Tokunaga, Akio Suzumura, Takahisa Yamazaki, ” Brazing of C/C Composites and Ni-Based Alloy with Nb Interlayer,” Aeromat2014 (2014), accepted. [2] 中山大志,池庄司敏孝,鈴村暁男,山﨑敬久,C/C複合材/Ni基耐熱超合金異材間ろう付用高温ろう材の研究, 溶接学会平成26年度春季全国大会(東京)(2014)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的として以下の3点を挙げている.(1) Ni-Cr系ろう,Fe-Cr系ろうを試作し,C/C材の上でのぬれ性,反応性を明らかにする.(2) 金属層を挿入して接合試験を行い,機械的特性を明らかにする.(3) 接合界面の金属組織を明らかにする. (1)についてはNi-Cr系,Fe-Cr系ろう材を試作する予定であったが,平衡状態図の調査によりNi-Cr-Si系合金がFeを含有せずにより低融点となることがわかったため,Fe-Cr系は試作を中止した.また,前年度の研究においてNbがC/C複合材表面で炭化物形成を行うことが明らかになったため,Ni-Cr-Nb-Si系としてろう材施策を行った.目的(1)については順調に推移している.(2)については厚さを変化させたNb箔を用いた接合試験により適度な応力緩和層厚さがることが示された.そして,その接合界面の金属組織をSEM,EPMAにより観察して接合部のC/C複合材表面での金属組織がNb,Crを中心に複雑であることが明らかになった.これからか(2),(3)はおおむね順調に推移していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 平成25年度までで試作ろう材の成分や応力緩和層に適当な金属箔の選定が終わったため,平成26年度では,試作ろう材の成分をより細かく調整すること,また,応力緩和層に関してはより詳細な金属組織観察を行うことを行う. (次年度使用額が生じた理由と使用計画) 試作ろう材の機械的強度が想定していたものよりも軟らかく,500µm程度の厚さであれば研究室内の装置で箔にすることが可能であったため,試作ろう材を粉末化する合金アトマイズ費用を使用していない.本年度は繰り越した合金アトマイズ費用でリボン状の箔を外注する予定である.リボン箔化は合金アトマイズよりも廉価で行える.また,本研究の成果を国際会議ICM&P2014,Aeromat2014では発表する為の旅費と参加費にあてたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試作ろう材の機械的強度が想定していたものよりも軟らかく,500µm程度の厚さであれば研究室内の装置で箔にすることが可能であったため,試作ろう材を粉末化する合金アトマイズ費用を使用していない. 本年度は繰り越した合金アトマイズ費用でリボン状の箔を外注する予定である.リボン箔化は合金アトマイズよりも廉価で行える.また,本研究の成果を国際会議ICM&P2014,Aeromat2014で発表する為の旅費にあてたい.
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Research Products
(4 results)