2012 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ・メゾ成形中の工具/材料間摩擦力の直接測定
Project/Area Number |
24560130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧野 武彦 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70273315)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 成形加工 / 工具表面 / 摩擦力測定 / マイクロ・メゾスケール |
Research Abstract |
マクロとマイクロの中間である,マイクロ・メゾスケールの成形では,加工における摩擦の寄与が大きく,その制御が重要である.これには加工中の工具/材料間の摩擦の状態の把握が不可欠である.しかし,一般に成形加工中の工具/材料間の摩擦力を,加工力から分離して測定することは非常に困難である.本研究は,加工中の工具に加わる垂直力と摩擦力を独立して測定するため,工具の薄肉部の局所的な変位を「光てこ」の機構で増幅する成形加工装置を考案し,製作することを目的としている. 本年度は,この装置のうち,マイクロ・メゾ成形が可能な加圧部分(プレス部分)を製作し,実際に押出しやECAPなど種々の成形加工を行った.ステップモータ,台形ネジを使用したプレス部分の製作過程で,摩擦力の測定値の校正に必要な,成形加工時の加圧方向に対して垂直の方向へ加圧するための機構の構想がまとまった. また,摩擦後の工具表面の材料の凝着状態の観察法として,接触電位差を半自動的に測定できる装置を製作し,実際に工具表面の2次元的な仕事関数分布の測定を行った.この際の成形加工の様式は,摩擦力測定装置に用いるものと同じであり,かつ,仕事関数は原子スケールの凝着状態を反映するので,最終的に研究全体の目標である摩擦状態測定・予測システムを構築する上で,重要な実験方法の一つを確立できたことになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の当初の目標であった摩擦力直接測定の装置の完成には至っていないが,懸案であった工具の局所的な変位を摩擦力に換算するための校正線を得るための加圧機構の構想が,マイクロ・メゾ成形のための加圧装置の製作過程において明らかになったのは大きな進展である.また,摩擦力測定と同様に重要な工具表面状態の観察法として,接触電位差を半自動的に測定する方法を確立できたことも,研究全体としての達成度を高めた.
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロ・メゾ成形加工に使用可能な,薄肉部を備えた工具を製作する.このためには,薄肉部形状の有限要素解析を行い,摩擦方向の変位を有効に検知できるように試作を重ねる必要がある.次に,摩擦力の校正が可能な二軸の加圧装置を設計し,製作する.さらに,接触電位差の測定を自動化し,大量のデータを比較可能にする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもに研究費を使用するのは以下の用途である. 1.薄肉部を備えた工具の製作 2.摩擦力の校正が可能な加圧装置の製作 3.接触電位差測定装置の改良 4.研究成果発表のための旅費
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