2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560136
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 学 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20274334)
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Keywords | 成形加工 / パルスレーザー |
Research Abstract |
パルスレーザー発振器および手動油圧圧縮試験機との複合化により試験装置が完成し,試験を開始した.試験条件パラメータはレーザー出力,焦点と振動板との距離である.試験材はA1070アルミニウム合金とし,試験片は直径10×高さ15mmの円柱である.レーザーは試験機側面方向から入射後,反射鏡にて垂直上方に光路を変え,50mmの焦点距離を有する凸レンズを通して水中内で集光させた.その際水が一気に蒸発爆発しその振動が振動板に衝撃力が伝わっていることが確認された.パラメータであるレーザー出力または焦点と振動板との距離を変化させることで,振動板への衝撃力が変化することが確認できた. 試験片に圧縮負荷を加えるとともにレーザーを照射した.僅かに応力低下(Blaha効果)らしき挙動は見られるものの,その挙動は不安定であり最適条件はまだ見出されていない. 一方,超音波を用いた応力低下(Blaha効果)は安定かつ確実に得られており,微細組織と塑性変形挙動についてX線回折により調査し,従来の圧縮変形の微細組織とは異なり転位密度の解放や結晶子の大きさが試験前の状況に近いことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の予定では,パルスレーザー照射におけるBlaha効果発現条件を探索し塑性変形量にについて詳細な計測を実施する予定であったが,現段階で明確なBlaha効果の発現条件は得られていない. 一方,先行試験として実施中の超音波印加により得られた明確なBlaha効果を利用して変形した加工試験片と従来の加工材との微細組織および材料特性の相違について分析・評価は順調に進められ,その成果が出つつある.
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Strategy for Future Research Activity |
パルスレーザー照射における振動板の材質,厚さ等について調査し,安定なBlaha効果発現の条件を探る. 超音波印加における安定なBlaha効果による変形挙動を材料科学的観点から詳細に検討を行う.また,超音波印加方向と変形量の相違を明らかにし,塑性加工限界を超越した原子レベルでの原子移動メカニズムと転位密度低減について詳細なメカニズムの解明を行う. 本研究はパルスレーザーを利用することとなっているが,Blaha効果は超音波のような他の振動印加でも解明可能であるのでメカニズム解明には手法が変わっても問題はないと考えている.ただし,引き続きパルスレーザーによるBlaha効果発現を見出すよう調査を進めていく方針である.
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