2014 Fiscal Year Annual Research Report
積層造形法に基づく機能性部品の異種材料密着性制御に関する研究
Project/Area Number |
24560137
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
楢原 弘之 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (80208082)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 付加製造法 / 積層造形法 / Additive Manufacturing / 表面自由エネルギー / ラピッドプロトタイピング / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は積層造形法でMID の迅速試作実現を将来的な目標とし、本研究課題では同種/異種材料の密着性を制御する方法を明らかにすることで、MID 部品のラピッドプロトタイピングを実現するために必要となる基礎理論を整備することにある。本研究により得られた成果は以下である。 溶融式MID-RP成形プロセス中での接合への影響を検証するための基礎実験装置の構築を行った。また大気圧プラズマ処理など、加工雰囲気が与える接合への影響を測定した。さらに2層から実際の積層プロセスである多層へ拡張した際の、接合面の評価を行った。溶融式MID-RPで成形部品の、表面自由エネルギー、機械的特性(密着強度)等を評価した。(1)接合問題における熱成形プロセス影響の表面自由エネルギーに基づいた解析:直交実験を行い、大気圧プラズマ処理に大きな影響を与える因子の特定と、照射条件の最適化を図った。造形条件とプラズマ発生条件を変化させて表面自由エネルギーを測定した。直交実験の結果より、・照射範囲,照射距離の条件が顕著な影響を与える事が明らかになった。また最適な条件で大気圧プラズマを照射することで未処理の状態から表面自由エネルギーが約75%増加する結果が得られた。(2) 溶融式MID-RP成形における接合問題の基礎特性実験:導電性材料との接合時の接着性の評価を,表面自由エネルギーに基づいて評価した。導電性材料としては、銅粉末混入PLA樹脂、ブロンズ粉末混入PLA樹脂、カーボン粒子混入樹脂について、それぞれ異なる表面処理を施した場合の表面自由エンルギーの変化を評価した。この表面自由エネルギーの測定結果から接着仕事を算出した結果、カーボン粒子混入樹脂が最も高い接着仕事の値となるという結果が得られた。また、表面を粗くすることで接着仕事の増加が確認された。
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