2012 Fiscal Year Research-status Report
臼蓋形成不全患者を対象とした高骨誘導型臼蓋形成部品の開発
Project/Area Number |
24560145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
新谷 一博 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80139758)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機械工作・生産工学 / ナノバイオ / 医療・福祉 |
Research Abstract |
変形性股関節症患者の原因の一つにあげられる臼蓋形成不全は、股関節部分の骨頭ー臼蓋間の設置面積の少なさから同部分に過大な応力不均衡が生じ、このため変形が加速されることが明らかとなっている。本研究ではこの臼蓋部分に人工的に骨伝導を促す足場材を形成し、任意の臼蓋を形成しようとしている。現在CT画像からの患部応力状況の把握は完成しており、人工臼蓋の設計に向けた解析が進行している。またこの足場となる金属材料の成型手法として、生体適合難削材の切削加工技術やレーザを用いた光造形技術は完成しており、前者においては工具長寿命化に向けた損傷状況の把握と損傷原因について調査している。また、足場材の構造については、骨誘導を促す形状として3Dハニカム(切頂8面体構造)を提案し、これの有効性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臼蓋形成不全患者における股関節周りの解析、および臼蓋の人工物の設計、並びに生体適合性が高いタンタル材料の加工手法の開発はほぼ終了している。ただしなぜ工具損傷が生ずるのかの解明は現在調査中である。また、足場材となる3Dハニカム構造の設計と光造形技術を用いた試料の作成技術はすでに完了している。ただし当初申請時に提案したウェラフェラン構造より切頂8面体構造が海綿骨構造により近いことから3Dハニカムをこの構造と置き換え、骨伝導能を調査する。
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Strategy for Future Research Activity |
臼蓋形成部品は臨床(初期固定性の向上)の観点からいち早く骨を呼び込む必要があり、3D構造で骨とのイングロスを完成させることと、骨誘導能をさらに高めることを目的として、DLCによる被膜処理技術の導入を試みる。また小動物を用いた実験を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
足場材作成に関する材料費用と、表面処理に必要な費用、さらにはビークル犬購入費用などが考えられる。
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Research Products
(9 results)