2013 Fiscal Year Research-status Report
新型磁気機能性流体を用いた難削材円管内面のナノレベル高品質加工技術の開発研究
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24560147
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
西田 均 富山高等専門学校, 電気制御システム工学科, 教授 (00390435)
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 超精密加工 / 磁性 / 流体工学 |
Research Abstract |
磁気混合流体(MCF)を用いた垂直な短い円管に対する実験装置の開発と水平な長い円管における工具周りの流動特性を明らかにした。工具はリング状の永久磁石を非磁性体のスペーサで挟んで同極が対向するように積層したものである。本年度の成果は以下の通りである。(1)垂直な短い円管内面加工用精密トルク計測実験装置の開発 MCFのせん断力と加工量の関係を明らかにするための実験装置を製作した。装置は回転円筒型粘度計を改良したもので、ロータとして永久磁石を積層した各工具を取り付けることができる。工具のずり速度(回転数)と工具に作用するトルク、MCFのせん断力の関係を詳細に調べることができる。(2)水平な長い円管内面に対する工具周りの流動特性 各工具の加工面における圧力分布特性を明らかにした。また、磁気クラスタの流動特性を明らかにした。実験範囲において、加工量に対して圧力と流速が相関関係にあり、流速分布は相似であるとがわかった。(3)水平な長い円管内面加工における磁束密度分布と加工量の関係 長さが大きく、直径が小さいスペーサによりMCFを多く保持できる工具は、永久磁石端部とスペーサ中央において磁性体に軸方向の力を作用する磁場分布となり、太く長い磁気クラスタが形成される。そのため、加工量が多くなることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
垂直な短い円管内面加工用精密トルク計測実験装置を開発したが、MCFのせん断力の関係を詳細に調べるに至っていない。実験装置の測定精度の検証に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年計画の最終年である平成26年度はMCFのせん断力と加工量の関係と水平な長い円管内面に対する工具周りの流動特性とフレキシブルシャフトを用いた工具による長い円管内面に対するナノ加工特性を明らかにする。本年度の計画は以下の通りである。(1) 垂直な短い円管内面加工におけるトルクと加工量の関係 工具に作用するトルク、MCFのせん断力と加工量の関係を明らかにする。新型のMCFに対しても、この関係が成立するかを明らかにする。(2)長い円管内面に対する工具周りの流動特性 各工具の回転数ごとの圧力分布および流動特性を明らかにして、加工量に対する圧力と流速の関係を明らかにする。(3)センタリング効果実験と長い円管内面のナノ加工試験 短い円管内面加工用精密トルク計測実験装置により,工具の主軸にフレキシブルシャフトを用いて,工具のセルフセンタリング効果を検証する.フレキシブルシャフトを用いた工具を長い円管内面に対するナノ加工試験装置に使用して、水平な長い円管内面に対するナノ加工試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画どおりに使用したが、8964円の残金が生じた。これは次年度に次年度予算と組み合わせて、有効活用するために繰り越すことにした。 次年度に次年度予算に組み合わせて、工具製作部品購入のために有効活用する。
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