2013 Fiscal Year Research-status Report
予測補正制御に基づく高速高精度な多軸加工システムの開発
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24560148
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
藤尾 三紀夫 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70238541)
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Keywords | 多軸加工用CAM / 金型加工 / CAD/CAM / 多軸加工 / 高速高精度加工 / 形状補間 / 誤差の予測補正 / NC加工シミュレーション |
Research Abstract |
当該研究では3軸加工で実績を得た「予測補正制御手法」を多軸加工に適用し「形状補間」と「予測補正制御」により高速高精度な多軸加工を実現するシステムの開発である。これまで5軸加工機を導入することができなかったため、汎用的な多軸加工機によるシステム開発を行って来たが、システムの検証等ができず、大幅に進捗が遅れている状況となってしまっている。5軸加工機については、昨年度末にようやく導入することができたため、試作システムを5軸加工機に対応させると同時に、計算手法の妥当性をまず、検証する必要がある。このように5軸加工機が導入されたことから、これまでの遅れを早急に取り戻す必要がある。 当該年度の目標は「多軸加工機の導入と実験システムの構築」と「工具の加工点における切削速度制御」および、「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」である。まずは遅れている「多軸加工機の導入と実験システムの構築」について、ようやく2月に5軸加工機を導入し、付属オプションにより実験システムの構築まで進めた。また「工具の加工点における切削速度制御」については、汎用5軸加工機用のシステムのテストモデルを構築し、現在評価中である。確認が取れ次第導入した5軸加工機に対応させる必要がある。残りの「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」については、オフセットモデルの生成について試作を行ったが、5軸加工機の構成が未定であったため、サーボデータ生成まで至ることができなかったため、導入した5軸加工機への対応を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度の目標は「多軸加工機の導入と実験システムの構築」と「工具の加工点における切削速度制御」および、「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」である。 まずは遅れている「多軸加工機の導入と実験システムの構築」について、ようやく2月に5軸加工機と付属する5軸用CAD/CAMシステム、NC加工シミュレーション、衝突防止システムを導入した。現在はその使用方法について、加工テストを行い、練習している所である。併せて、付属オプションの導入により、サーボデータを収集すると同時に、制御データを直接駆動できるように実験システムを構築し、その操作方法の学修および精度を検証している。このように「多軸加工機の導入と実験システムの構築」はほぼ予定通り、実施することができた。 しかし、「工具の加工点における切削速度制御」については、汎用5軸加工機用のシステムのテストモデルを構築し、限定した条件下ではあるが、仮想工具先端での速度制御データについて現在評価中である。テストモデルにおいて確認が取れ次第、導入した5軸加工機に対応させる必要がある。残りの「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」については、オフセットモデルの生成について試作を行ったが、5軸加工機の構成が未定であったため、サーボデータ生成まで至ることができなかった。 このように当該年度は対象とする5軸加工機の導入が大幅に遅れた事が要因となり、研究全体として大幅に遅れが生じる結果となった。平成26年度には、これまで構築したシステムを取り纏め、導入した5軸加工機に早急に対応し、当該研究の遅れを取り戻す必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今後の研究の推進方策 平成26年度は、これまで試作してきた機能を、導入した5軸加工機に適用させることが第1ステップとなる。そして遅れている「工具の加工点における切削速度制御」および「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」について5軸加工機に対応させ、検証を行う事が第2ステップとなる。全ての機能の開発は難しいため「5軸加工の形状補間」加工システムの構築を第3ステップの目標とする。そのためには、特に大幅に遅れている「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」における、「5軸加工における形状補間」と「5軸加工によるサーボ処理とその測定」について、最優先で開発を行う必要がある。 2.今後の研究費の使用計画 開発する機能が多く「5軸加工による形状補間」、「切削速度制御」、「誤差の予測補正」と、測定用「5軸指令データ測定」、「サーボデータ軌跡の測定」システムを並行して構築するため、各機能用専用のコンピュータを複数導入して、開発の進捗を進める。また、5軸加工実験用の材料、工具、治具等を導入し、加工実験に備える。 このように平成26年度は、5軸加工機の導入にあわせて各種機能を開発し、加工対象を絞って、まずは「5軸加工の形状補間」加工の試作システムの構築を行う。また、開発した試作システムの検証を行い、提案する手法での加工の有効性を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度当初に導入を予定していた5軸加工システムの導入が年度末まで延びたため、導入に伴って購入する予定であった開発専用パソコンや測定専用機器およびパソコンを購入する事ができなかった。また加工実験に必要な治具や、工具の導入も十分できなかった。このため、今後はこれらの開発や測定用機材および加工実験用の機材を早急に導入し、遅れを取り戻す。 進捗遅れを取り戻すため、並行して機能を開発するため「5軸加工による形状補間」、「切削速度制御」および「誤差の予測補正」を開発するための専用パソコンを導入する。また同時に、測定用「5軸指令データ測定」および「サーボデータ軌跡の測定」用のパソコンを導入する。併せて、システム評価を行うために必要となる、5軸加工実験用の材料、工具、治具等を導入し、加工実験に備える。
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Research Products
(1 results)