2013 Fiscal Year Research-status Report
多台参照追従モデルを用いた安全な隊列交通シミュレーションに関する研究
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24560157
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北 栄輔 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50234224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉城 龍洋 沖縄工業高等専門学校, メディア情報工学科, 准教授 (60413837)
脇田 佑希子 名古屋大学, 情報科学研究科, 技術補佐員 (00625923)
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Keywords | 隊列走行 / 車両追従モデル / ビークルロボット / 交通ネットワーク / 最適化 / 車車間通信 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の3つからなる.第1は隊列走行実験のためのビークルロボットの速度制御アルゴリズムの設計であり,第2はその速度制御アルゴリズムを実際の隊列走行実験へ適用することである.第3は隊列走行の実用的な応用対象としての交通ネットワークの最適化アルゴリズムについての研究である. 第1の制御アルゴリズムの設計研究においては,4台のビークルロボットからなら隊列走行実験のために2種類の速度制御アルゴリズムを設計した.第1は,前方車両群との速度差に応じて自車両の加速度を制御するモデルである.第2は,第1のモデルにおいて前方車両群との速度差を差分近似で車間距離差に置き換えたモデルである.それぞれについて,パラメータ設計を行った. 第2の制御アルゴリズムの走行実験への適用研究においては,4台のビークルロボットからなる隊列走行実験を行った.2つの速度制御モデルにおいて前方車両群に対する感度を最大化すると,先頭車両と直前方車両の情報だけを参照すれば良いので,そのことをもとにビークルロボット間で通信しながら速度制御するようにして実験を行い,シミュレーションと実験が定性的には一致することを確認したが,定量的な議論が今後の課題として残った. 第3の交通ネットワークの最適化アルゴリズムについての研究では,交通量を最大化するように道路リンクを選択するように問題を定式化した.このアルゴリズムを簡単な解析例に適用し,最適な交通ネットワークが交通密度(単位道路長あたりの車両台数)に依存するとともに,交通密度が最大値よりも少ない状態においては,道路リンクを利用しない方が最大交通量を大きくできることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の点はおおむね順調に進展している.第1は.隊列走行実験に用いるビークルロボットの速度制御アルゴリズムの研究である.最初の予定である前方車両との速度差に応じて自車両の加速を制御するモデルと,それにおいて前方車両群との速度差を差分近似で車間距離差に置き換えたモデルの設計は終了し,この計算機シミュレーション結果も妥当なものであった.第2は,これらの速度制御モデルをビークルロボットの隊列走行実験に適用できたことである.隊列走行実験の結果は計算機シミュレーション結果と定性的には一致点の見られる結果であったので,モデルに一定の妥当性があることが確認できた. 以下の点は研究の拡張や応用として並列して実施できているものである.第1は隊列走行の実用的な応用対象としての交通ネットワークの最適化アルゴリズムについての研究である.第2は左折時における速度制御モデルの設計と隊列走行実験への応用である.右左折時は,隊列走行する車両が参照する先頭車両が交替するので,通常の隊列走行と異なり,走行しながら通信相手を変更して制御するモデルが必要となる.これについて研究を開始している. 以下の点は少し遅れている点である.ビークルロボットにはレゴマインドストームNXTを採用していたが,昨年度この後継機種であるEV3が発売された.新機種での実験を予定していたが,開発環境が整っていないこともあって,まだ実施できていない. 以上のことから進んでいるものも遅れているものもあるので,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は以下の点について研究を進めていく. 第1は,直進する隊列走行実験の結果と計算機シミュレーションを定量的にさらに一致させることである.速度制御の時間遅れ,速度以外の制御アルゴリズムの並列実行により,隊列走行実験結果は数値シミュレーション結果と定量的なずれが大きい.そこで,隊列走行実験における速度制御以外の制御アルゴリズムを簡単化するなどして実験をやり直すことを考えている. 第2は,速度制御アルゴリズムの拡張と走行実験への応用である.すでに,左折する場合への応用は進めているが,交差点で交差する2つの隊列の制御,2つの隊列の合流や分流についても研究を進めたい. 第3は,交通ネットワークの最適化アルゴリズムと隊列走行実験への適応である.交通ネットワークの最適化アルゴリズムでは,道路リンクごとの交通量は一定と考えているが,実際の交通では必ずしもそうではない.そこで,隊列走行実験の成果を生かして交通ネットワークの最適化アルゴリズムを改良する. 最後に,情報収集と成果公表のために国際会議や国内講演会に参加する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
理由は主に2つある. 第1は,出席予定の研究発表会議の参加直前に出席者が病気(ぎっくり腰)になったため,出席を取りやめなければならなくなったことである.これからの回復が芳しくなかったことから,数回出席を取りやめることとなり,それによって残金が生じた. 第2は,実験に利用を予定していたレゴマインドストームEV3について,その制御プログラミングが思うようにできなかったことである.そのため,当初予定よりも購入代数を控えることとなった. 予算を主として以下の2つの用途に使用する. 第1は,LEGOマインドストームEV3と類似の異なるロボットを購入することであり,このために合計50万円程度を計上する. 第2は,情報収集と成果公表のために国際会議(CJK-OSM, CST2014)と国内での講演会(JSCES2014,CMD2014等)に参加することである.CJK-OSMとCST2014は,それぞれ韓国とイタリアで開催されるため,それらへの参加費用をあわせて500千円程度計上する.国内講演会は,JSCES2014が広島,CMD2014が岩手,AFCA2014が静岡などで開催されるので,併せて500千円程度計上する.
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Research Products
(8 results)