2013 Fiscal Year Research-status Report
強磁性体鋼に生じる残留磁化を利用した接触面圧測定に関する基礎研究
Project/Area Number |
24560159
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大上 祐司 香川大学, 工学部, 教授 (60203709)
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Keywords | 逆磁歪効果 / 接触面圧センサ / 機械要素 / トライボロジー / 残留磁化 |
Research Abstract |
機械要素や金型の表面損傷の耐久性向上のために,それら表面には様々な処理が施される.表面強度を決める主要因は,材料自身の強さを除くと表面性状,油膜厚さ,接触面圧の3つである.接触面圧を実際の使用状態に近い荷重下で測定できるセンサを開発すれば,接触状態が実験的に明らかとなり,金型最適表面処理の選定や高信頼性機会要素の開発に活用できる.そこで,少なくとも0.5GPaの実働状態に近い接触面圧を測定するために,応力と残留磁化の定量的関係を明らかにし,接触面圧の測定基本システムを構築する. 上記目的のために,応力磁場印加装置の製作と機械要素の大半を占める点接触をモデル化したアルミニウム製球頭とSUS304鋼平板の接触試験において磁場を印加した場合のSUS304鋼平板に生じる残留磁化の測定を行った.(1)応力磁場印加装置と残留磁化測定システムを構築した.応力磁場印加装置は,万能試験機に磁場印加装置を取り付けるための設計と製作を行った.残留磁化計測では,XYステージを利用して,SUS304鋼平板の残留磁化分布を自動で計測し可視化できるシステムを構築した.(2)点接触状態において,SUS304鋼平板に接触応力に起因する残留磁化分布を計測することができた.最高で1600MPaの接触圧を付加し,その点接触領域と残留磁化分布には対応が見られる場合があった.(3)接触応力と残留磁化の値には明確な関係性が見られなかった.そのため,磁場印加法や,球頭の素材等を変更してさらに詳細な実験を行い,応力磁場印加装置の改良を行う必要性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応力磁場印加装置の製作と機械要素の大半を占める点接触をモデル化したアルミニウム製球頭とSUS304鋼平板の接触試験において磁場を印加した場合のSUS304鋼平板に生じる残留磁化の測定を行った.点接触状態での接触面圧と残留磁化の関係を明らかにできた.そのため,達成度は,計画書の研究の目的のとおりに順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
点接触状態において,SUS304鋼平板に接触応力に起因する残留磁化分布を計測することができた.最高で1600MPaの接触圧を付加し,その点接触領域と残留磁化分布には対応が見られる場合があった.しかし,接触応力と残留磁化の値には明確な関係性が見られなかった.そのため,磁場印加法や,球頭の素材等を変更してさらに詳細な実験を行い,応力磁場印加装置の改良を行う必要性を明らかにして行く予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の物品費の計画よりも,物品を安価に購入することができた.そのため,次年度使用額(B-A)欄が0より大きくなった. 今年度は,前年度までに得られた応力磁場印加装置の改良を行う必要があるため,その物品費等に使用するとともに,国外の学会で発表するために使用する予定である.
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Research Products
(2 results)