2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24560161
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| Research Institution | Nippon Institute of Technology |
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Principal Investigator |
上野 貴博 日本工業大学, 工学部, 准教授 (90275842)
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2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 風力発電機 / 電機用ブラシ / スリップリング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
風力発電機ナセル内の電力伝達機能の信頼性向上と長寿命化を目指した本研究は、平成２４年度から平成２６年度の研究期間において実施した。研究期間全体の研究成果として、銀および金コーティングスリップリングと銀黒鉛質ブラシの接触電圧降下特性およびブラシ摩耗特性を明確にした。風力発電機は、洋上に設置されることもあり、雰囲気温度の変化も激しい。そこで本研究では、雰囲気温度マイナス１５℃からプラス２０℃の範囲における特性を求め、機構の寿命に大きく影響するブラシ摩耗量の低減について最適条件を求めた。
銀コーティングスリップリングに対し、銀黒鉛質ブラシの銀含有率を変化させた場合、ブラシの銀占有面積が約２５％（銀含有率で７０％）を超えても接触電圧降下を低下させる効果が少なく、逆にブラシ摩耗量は増加傾向を示す。すなわち、接触電圧降下が低くブラシ摩耗量も低減でき、コスト面でも効率の良い範囲は、銀含有率６０％～７０％である。
また、金コーティングスリップリングを用いた場合、接触電圧降下が高くなり、雰囲気温度がマイナスになるとさらに増加することを明らかにした。しかし、ブラシ摩耗量は逆に1/2程度まで低減することができた。ブラシ摩耗量を重視するためには、コストは上がるが金コーティングスリップリングを用いることが望まれる。
最終年度は、金ワイヤブラシを用いた接触通電試験で、酸化被膜などは生成されず接触電圧降下も低く抑えられた。しかしブラシ強度やコスト面の課題があるため、実用的な観点では銀系ブラシ・スリップリングの組み合わせによるシステム構成が効率的である。
以上のことから、風力発電機のスリップリングシステムには、銀コーティングスリップリングと銀黒鉛質ブラシ（銀含有率６０～７０％）の組み合わせにより、ブラシ摩耗量を低減することが可能となり、電力伝達の信頼性向上と長寿命化に有効であることを示した。
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