2014 Fiscal Year Annual Research Report
接触する大変形回転体の騒音予測技術の開発とタイヤ・車両騒音低減への応用
Project/Area Number |
24560163
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中島 幸雄 工学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10594070)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タイヤ騒音 / 音響・構造連成解析 / 有限要素法 / ALE法 |
Outline of Annual Research Achievements |
接触する大変形回転体の音源は接触面付近にあるため振動計測、音響計測が困難である。一方、従来の予測技術による検討は、構造体への入力モデル、FEAモード解析、音響解析を結合した陰解法FEMを用いているので、ある周波数のみの音が予測できるだけである。 今回の研究では構造・音響の連成解析を陽解法FEMで解くことによって、上記課題を解決し時間軸おける騒音の予測を可能し「音の見える化」を実現できた。タイヤの回転時に横方向溝によって生じる音に関しては、速度とタイヤ周方向の横方向溝の数によって定まる周波数と今回の手法を用いて時間軸で予測された騒音をFFTで求めた周波数とが定量的に一致した。また、タイヤの横方向溝の角度を周方向に近づけると騒音が低減することが予測され、今回の予測と実験とが定性的に一致した。また、タイヤの横方向溝生じる気柱管共鳴音も同時に予測でき、その周波数は解析的モデルの周波数と定量的に一致した。 ただし丸いタイヤを周方向にFEMでモデル化する際に生じる角点によって、本来丸いタイヤでは生じない音がノイズとして予測結果に重なる課題が生じた。タイヤの溝に起因する音のみを抽出するために、溝付タイヤモデルの予測結果から溝なしのタイヤモデルの予測結果を差し引くことを試みた。本来生じない音のレベルは下がったが、完璧に取り除くことができなかった。それ以外の対処法として解析対象の周波数帯から外すために周方向のモデル分割数を増やすことが考えられるが、計算機容量の限界のためその効果を検証することは出来なかった。 この研究によって接触する大変形回転体の騒音予測の手法が確立され、その課題を明確にすることができた。
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