2012 Fiscal Year Research-status Report
部品エージェントによるリユース経路を考慮した部品再利用
Project/Area Number |
24560165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平岡 弘之 中央大学, 理工学部, 教授 (20165161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原田 寛 中央大学, 理工学部, 助教 (40462676)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 部品リユース / ライフサイクル / 経路 / ネットワークエージェント / RFID |
Research Abstract |
(1)ライフサイクルシミュレータの開発: これまでの開発経験をもとに,部品エージェントと連携して動作するライフサイクルシミュレータの基本的な枠組みと評価手法を開発した.1) 枠組みとしては,製品・部品のライフサイクルに基づき,候補のライフサイクル経路の数時間間隔先までライフサイクルステージの遷移を展開し,部品の性能モデル,劣化・故障モデル,ユーザの選好モデルをもとに各候補経路の予測される評価の期待値を求め,それらを比べて最も適切なライフサイクル経路を選択するしくみを考案した.本枠組みは,部品に関するモデルと評価手法を入れ替えることで多様な目的に適応できると考えている.2) 部品の予測評価については,部品の不具合に関連する事象間の因果関係をモデル化し,ベイズ推定を用いてユーザの行動および観測されたリユース部品の状態から,ユーザに適切なリユース部品を選択する手法を開発した.本手法は部品のライフサイクル中に生じる不確実な事象に対応するものである.なお,今回開発した枠組みおよび評価手法は,いずれも直接経路を扱うものではないが,適切な経路モデルを構成することで,経路生成へ適用できる. (2)部品エージェント間の情報交換に基づくリユース経路生成手法の開発: 上記した全体の枠組みと確率的推論に基づく評価手法の開発を行っていたため,経路生成手法の開発自体は進展していない. (3)生成されたリユース経路の評価: 経路生成手法の開発が進まなかったため,評価を行うに至らなかった. (4)部品エージェントの実装による手法の確認: 次年度以降の実装に向けてRFIDシステムを購入した.総務省によるRFIDの周波数帯の移行が行われたため,次年度にはシステム変更の必要があり,その対応の準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発の遅れは以下の理由による.(1) 部品エージェントのためのライフサイクルシミュレーションを利用した基本的枠組みの開発と,(2) ベイズ推定を用いたリユース部品の評価手法の開発に時間がかかった.(3) RFIDの周波数帯移行のためのシステム変更の準備作業が必要になった.ただし,いずれの作業も致命的な遅れを招くものではなく,今後の開発に役立つと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ライフサイクルシミュレータの開発: 今年度開発した基本的枠組みとベイズ推定による評価を組み合わせる.劣化,故障,選好,経路など評価に用いるモデルを開発し,シミュレータに組み込む. (2)部品エージェント間の情報交換に基づくリユース経路生成手法の開発: 複数の部品エージェント間の情報交換のしくみを開発する.他のエージェントからの情報をもとに部品エージェントが適切な行動をとるしくみを開発する.経路情報にこのしくみを適用する. (3)生成されたリユース経路の評価: 個々の部品エージェントにとって適切な経路の選択が,必ずしも全体で適切な結果をもたらすとは限らない.各種の評価指標について個々の評価と全体の評価を行う. (4)部品エージェントの実装による手法の確認: 購入したRFIDシステムについて,周波数帯移行に対応させた後,部品エージェントシステムを実装する. (5) 研究成果の公開: 研究成果の報告と関連研究の調査のために,国際会議CIRP LCE2013(4月,シンガポール),GCSM2013(9月,ベルリン)およびEcoDesign 2013(12月,韓国)に参加する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) シミュレーション用ワークステーションの購入: ライフサイクルシミュレータの開発のために必要な高機能ワークステーションを購入する. (2) 実装用模擬部品の製作: 実装による手法の確認のために,複数の模擬部品を製作し,RFIDタグを貼付けて実験を行う. (3) 研究成果の公開のための学会参加費と旅費: 上記の3国際会議での成果報告を予定している.
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