2014 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス製転動体を用いた小径玉軸受の総合的な性能評価に関する研究
Project/Area Number |
24560166
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
野口 昭治 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80349836)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 玉軸受 / 鋼球 / セラミック球 / 振動 / 電食 / 形状変化 / 酸化劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、同じ型番の玉軸受にセラミックス球を組み込んで、様々な性能試験を行い、従来の軸受鋼球との総合的な性能比較を行う。セラミックス球の優位性が単一性能だけでなく、寿命等多くの点で優位性が認められれば、転動体だけのコストではなく、軸受を組み込んだ製品のトータル的なコストダウン(寿命が2倍に伸びれば、モータ1個分の費用と交換工賃の削減、製品が停止していることによる損出削減)を主張することが可能となり、セラミックス球の普及に貢献できる。さらに、近年低コストのセラミック球の開発も行われており、それも評価対象に加えることにより、用途限定(低荷重用途等)での適用可能性も考えられる。平成24~26年度にわたって、以下の項目について高炭素クロム軸受鋼製鋼球と比較実験を行ったところ、性能試験においてはセラミック球の方が良好な結果が得られ、耐久試験でも問題がないことが確認された。軽荷重用途であれば、セラミック球は十分使用可能である。 ①電食性能:電圧を印加しながらの回転耐久試験であり、鋼球を使用した場合には20時 間程度で電食による振動上昇が起こる実験条件で試験を行った。結果は3000時間になっても振動上昇は起きなかった。 ②音響寿命:温度を70℃に保っての回転耐久試験で、一定時間経過した毎に振動上昇を測定した。結果は同じ実験時間においては鋼球よりも振動上昇は小さかった。 ③幾何学的形状変化:長期高温放置による幾何学的形状変化を観察した。結果は鋼球が形状変化を起こすのに対して、窒化ケイ素は形状変化を起こさなかった。 ④グリース酸化劣化寿命:窒化ケイ素球の方が酸化防止剤の消費量が少なく、グリース酸化劣化を抑制できることがわかった。 ⑤軽荷重耐久試験:基本動定格荷重の20%のラジアル荷重を負荷した耐久試験においては、10個すべてが定格寿命の3倍まで振動上昇なしに回転したことを確認した。
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Research Products
(9 results)