2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560168
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
三原 雄司 東京都市大学, 工学部, 教授 (20287858)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薄膜 / センサー / トライボロジー / 流体潤滑 / 圧力計測 / 計測技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は機械しゅう動部を対象とした薄膜センサの形成において、特殊なセンサの形状を製作する方法の最適化を進め、また、これらの加工によるセンサ形状変化や出力特性変化の確認を進め、しゅう動部の油膜計測手法の最適化を行った。センサ形成に必要な各層の絶縁膜は、RFマグネトロンスパッタリング装置によるPVD法及び原子層堆積法(ALD法)を用いた。本研究で対象とした薄膜圧力センサ形状(圧力感知部φ0.4~φ1.0mm、感知部幅5~20μm、膜厚さ0.1~0.5μm)の製作は、レジスト膜を紫外線で感光させるフォトリソグラフィ法が一般的な方法であったが、しゅう動部のような曲率を持った形状ではレジスト液による基板の汚染による付着強度の低下やセンサ感知部細線部幅の不均一による断線等が起こり、また、φ5mmの渦型形状を持たせた油膜厚さ用ギャップセンサ形成時においても同様の問題が起こった。このため、レーザーによるセンサパターニング法を開発した。この方法はしゅう動面全面に絶縁膜及び金属膜を形成し、その後センサ膜形状以外の金属膜部分は予めプログラミングされたレーザー光の照射によって除去しセンサパターンを製作した。しゅう動部となる基板材料やその上に形成する絶縁膜材料の熱物性値(主に熱伝導率、熱拡散率)によりレーザー照射に絶縁膜の破壊やセンサ合金がレーザーのエネルギーにより瞬時に加熱され、センサ膜の特性の変質や熱変形が懸念されたが、レーザーのパルスや照射方法を最適化することにより良好なセンサ感知部製作が出来るようになった。また、この方法を用い絶縁膜に深さ0.2~1.0μm、幅20μmの微細なグループを製作し、この部分にセンサを形成することでこれまで実験で問題となっていたセンサ感知部形状によるしゅう動面の突起が解消され、サブミクロンのしゅう動面形状も再現できる可能性のある高精度な油膜計測手法を考案した。
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