2012 Fiscal Year Research-status Report
籾殻由来の炭素紛体で強化された射出成形プラスチックねじ歯車の開発
Project/Area Number |
24560173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
板垣 貴喜 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00290718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀雄 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50179511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 射出成形プラスチック / ねじ歯車 / 籾殻 / 騒音 / 寿命 / 摩擦 / 炭素材料 |
Research Abstract |
(1)籾殻から焼成・粉砕した炭素粉体(RHSC粉体)をポリアセタールに添加し,平歯車とはすば歯車(ねじれ角20度)を作製した. (2)食い違い軸歯車であるねじ歯車の試験装置を試作段階から実用段階まで至った.試運転を経て運転試験が実施できるようになった.はすば歯車を2つ組合せてねじ歯車とし,軸角40度でいくつかの寿命実験を実施した.混入したRHSC粉体のメディアン径を5ミクロンおよび60ミクロンの2種類とし,粒径の違いによる影響を検討した.その結果,ポリアセタールのみの場合に比べて,RHSC粉体を混入させた歯車は格段に長寿命となり,粒径の違いはそれほど大きく現れないという傾向がみられた.まだ,サンプル数が少ないため,はっきりとした結論ではないが,低摩擦,低発熱というRHSC粉体の特徴がプラスチック歯車の長寿命化に貢献しており,さらに継続して実験を実施する予定である.そして今後は,寿命の整理や破損した歯車のサンプルから破壊された箇所の状況を電子顕微鏡で観察することで破壊のメカニズムを明らかにし,RHSC粉体の有効性を明らかにする. (3)ねじ歯車の試験と同時に既存の平行軸の歯車試験機を用いてRHSC粉体を添加したプラスチック平歯車の実験を行った.その結果をまとめ,発熱および騒音の原因や破損した歯車のサンプルからから破壊の原因などを調べ,RHSC粉体の効果を明らかにした.これらの結果を論文としてまとめて投稿した.ボリュームがあり,2本に分けたため,さらに続報を25年度に投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)プラスチックねじ歯車の実験装置が完成した. (2)プラスチックねじ歯車の寿命試験が実施できるようになった. (3)プラスチックねじ歯車の寿命において添加したRHSC粉体の効果を確認できつつある. (4)RHSC粉体を添加したプラスチック平歯車の内容をまとめて投稿することが出来た.その結果をねじ歯車の実験結果の考察に利用・参照可能となった. (5)ねじ歯車の負荷トルクと回転数の影響については今後の課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
試験ねじ歯車の寿命試験を継続して実施する予定である.さらに,試験ねじ歯車の振動および騒音についても測定することで,基本的な振動・騒音特性を調査する.主な実施内容は以下の通りである. (1)寿命の整理や破損した歯車のサンプルから破壊された箇所の状況を電子顕微鏡で観察することで疲労損傷のメカニズムを検討する. (2)試験歯車の損傷形態に基づいて,定点および連続的な振動・騒音の測定を行う. (3)耐久試験によって得られたS-N曲線や振動・騒音測定の結果を鑑みて,POM-RHSCねじ歯車のFEM解析モデルを作成し,疲労損傷の機構を検討する. (4)FEM解析モデルにおいてRHSC粉体のメディアン径,配合量の影響を計算し,歯車の最適設計法を検討する. (5)RHSC粉体を添加したプラスチック平歯車の特性に関する続報を25年度に投稿する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定にあった組立式防音室の購入は,別予算によって無響室と合わせて購入することが出来ることになったため,物品の購入計画を一部変更する. (1)FEAソフトウェアおよびワークステーションの購入 (2)プラスチック材料の摩擦や摩耗に関する基本特性の計測機器 (3)10月に開催される国際会議の参加費および出張旅費 (4)投稿した論文の掲載費
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Research Products
(5 results)