2014 Fiscal Year Annual Research Report
籾殻由来の炭素紛体で強化された射出成形プラスチックねじ歯車の開発
Project/Area Number |
24560173
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
板垣 貴喜 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00290718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀雄 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50179511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 摩耗 / 摩擦 / 歯面温度 / 籾殻 / ねじ歯車 / プラスチック |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度と同様,試験歯車の寿命試験を行ない,運転の経過に伴う歯面温度の変化,寿命および損傷形態を調べた. 寿命試験後のいずれの試験歯車は,かみ合い歯面が摩耗し,歯丈の減少により動力伝達ができなくなる.歯車に割れ,き裂は見られず,主な損傷形態は駆動歯車,被動歯車ともに過大な摩耗であった.RHSC粉体を添加することで,歯面から生ずる摩耗粉は細かく,細長い針状となり,摩耗粉の大きさはRHSC粉体の粒形サイズに比例する.このことから,RHSC粉体が歯面を削り,それ核として摩耗粉が形成されていることが考えられる. 運転中の歯面温度は試験開始直後に急上昇し,安定した平衡温度で長時間運転を続けた後,不安定となり損傷に至った.試験中の被動歯車の表面の温度分布をサーモグラフィで観察した.運転初期には局所的なかみ合いであるが,繰返し数の増加に伴い,歯面全体が接触する.破損直前には,損傷が激しく円周方向にまばらな温度分布となり損傷に至る.プラスチックは熱伝導率が低く,無潤滑では歯面のかみ合い部に蓄熱しやすい.プラスチック歯車から軸への熱伝導も小さいため,かみ合い部は局所的に強度が低く,摩耗が生じやすい状態にあると考えられる. 歯面温度上昇量は回転数による違いが表れ,500min-1ではRHSC粉体の添加の影響はほとんどないが,1000min-1では同一トルクで歯面温度上昇量が約30%低下した.RHSC粉体の摺動性が良く,特に高回転数で摺動性の効果が現れやすいことが確認できた.このため,歯車温度での寿命評価したところ,回転数の影響が少なく,ねじ歯車においても寿命推定に適していることが明らかとなった. 有限要素法解析については,解析モデルの作成に難航している.RHSC粉体と母材の結合部分の処理方法が上手くいかず,解析が進んでいない.引き続き,検討していく.
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Research Products
(6 results)