2013 Fiscal Year Research-status Report
極短時間パルス放電による高活性流動場形成過程のマルチフィジックス解析と応用
Project/Area Number |
24560182
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高奈 秀匡 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (40375118)
|
Keywords | 流体工学 / 反応流動 / プラズマ流 / シミュレーション工学 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では,ナノ秒パルス放電による高活性化学種の生成過程ならびに流動による高活性化学種の輸送・拡散過程という異なる時間スケール有するマルチフィジックス現象を統合的に解析する手法を創出し,内燃機関およびガスタービンでのプラズマ燃焼促進を目的として高温・高圧の極限環境下における高活性化学種の生成および輸送特性を明らかにするものである。 平成25年度においては,米国オハイオ州立大学のAdamovich教授との共同研究により,窒素や空気・メタン混合気を対象とした極短時間パルス放電実験を行い,電子衝突に伴う分子解離過程,放電による気体の高速加熱,化学的高活性種の生成過程および燃料酸化反応をCARSやTALIF等の最先端レーザー計測により明らかにし,プラズマ素反応モデルの妥当性を評価するとともに,高精度プラズマ燃焼反応モデルを確立した。次いで,平成24年度に開発したプラズマ燃焼促進解析コードおよび実験との統合解析から,圧力や温度および誘電体の誘電率等の作動条件がラジカル生成に与える効果を解明した。得られた数値計算結果をもとに,プラズマ燃焼促進に関する基礎実験装置および計測系を確立し,得られた一連の成果をスペインのグラナダにおいて行われた電離気体現象に関する国際会議において招待講演として発表するとともに,国内および国際誌に投稿し,掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に基づき順調に研究が行われ,国内外での学会発表や招待講演,学術論文誌掲載されるなどの研究成果が得られたため 。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度においては,本研究により確立されたナノパルス放電解析コードを用い,より広い範囲における圧力・温度条件下での気体加熱効果および高活性種の生成特性を明らかにし,プラズマ燃焼促進に対する作動条件の最適化を行う。さらに,平成26年度の下半期においては,これまで得られた知見を基にし,多点プラズマリアクターの設計および開発を行う。本研究で提案する多点プラズマリアクターは,円周方向に多点の高活性プラズマジェット生成部を有しており,プラズマにより生成される高濃度の高活性化学種をより効率的かつ集中的に対象部に供給することが可能となることから,格段の高性能化が期待できる。米国オハイオ大学との共同研究により,多点プラズマリアクターにおける燃焼促進効果を明らかにするとともに,その有用性を評価する。本研究に得られた成果を取りまとめ,国際・国内会議および論文発表等により成果を発信する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究先である米国オハイオ州立大学のAdamovich教授を訪問予定であったが,先方の都合により訪問することが不可能となったため。 本研究課題の最終年度である平成26年度において,共同研究先であるAdamovich教授を訪問し,前年度の研究成果を報告するとともに,さらに研究を深化させるべく綿密な研究計画の策定と討論を行う予定である。
|