2012 Fiscal Year Research-status Report
超高頻度ショックレット人工呼吸法によるガス交換促進法の基礎研究
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24560184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
平原 裕行 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20201733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 匡徳 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20448046)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高頻度換気法 / 肺呼吸 / 有限振幅波 / ショックレット / 流体計測 / PIV |
Research Abstract |
音響コンプレッサの開発経験にもとづいて,ショックレス共振管の管形状の設計とそれによって生成される定在波の生成技術をもとにして,今年度は,如何に低い振動振幅で微弱な衝撃波(ショックレット)を形成する装置の設計と解析を行った.ショックレットは,初期段階として,直径10mm長さ1060mmの直管を用いて定在波を発生させることで生成する.設定目標の共振周波数は200Hzとして.その後,断面積形状を変化させ被駆動側の断面に音波を集中させて,音のエネルギーを集中させることでショックレットを形成させるために,共振端の圧力境界条件を種々変化させて実験を行った.初めに,ショックレットの圧力上昇を1kPa程度に設定したが,その1/10程度の実績を得た.ショックレットの測定は,ピエゾ型MEMS圧力センサーを用いて多点圧力測定を行うことで可能である.申請者らの研究室では,このピエゾ型MEMS圧力センサーを用いて,10Paの超高感度で±50kPaまでの高ダイナミックレンジを実現しており,計測上の問題は克服されている.実験においては,作成したドライバを用いて,共振管内に非線形定在波を生成することに成功した.非線形定在波をさらに強めて,弱い衝撃波の生成を目指した実験を行い,ショックレットが生成されていることを確認した.ドライバの設計には圧縮性NS方程式をもとにした定在波の数値シミュレーションを行い,最適な管形状と共振のための管端圧力境界条件について改善を試みて,所定の改善策を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ショックレットを生成する装置に関しては,ほぼ完了し,実験を行うことが達成できている.圧力計測,および出口速度計測の予備実験を終了し,次年度への準備が整い,ほぼ順調な研究の遂行状況であると判断している.実験では,過去の実験実績が十分に踏まえられた計画となっており,これまでの成果が生かされている.また,あたらしい共振波形発生のための基本構想を練り上げることができ,設計方針が次の段階に入ったことが確認できている.数値計算による先行シミュレーションに関しても,多くの設計アイデアに基づいて,多くのトライアルを行っており,その中から,ショックレット発生のための,必要条件を抽出することができている. 最も困難となるのは,共振波を肺内に導入するための接続部の挙動である.これに関しては,今後,改善を行う必要がある. この成果の一旦は,可視化情報学会の全国大会でも発表しており,様々な意見交換を行って,これからの研究に資する討論ができたと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
細気管支流路のモデルをWeibelのモデルに従って作成する.これまでに,医療用HFOV装置を使用して実際に即した計測を行ってきたが,今後は,流れの特性をとらえる観点と計測の信頼性の観点から,Wormersley数(代表寸法と振動境界層厚さの比)を合わせた実験により相似実験も実寸の測定と合わせて行う.そのための4倍スケール細気管支流路モデルを作成し,従来のHFOV装置を用いた実験を行い,これまでの実験結果との照合を行う.計測は,粒子画像計測法(PIV法:既存の設備)を用いる.トレーサー粒子は,ラスキンノズルによって生成した直径1mのオイルミストを用いる.PIV計測は,HFOV駆動波形に同期させた位相ロックにより行う.これまでの計測では,1周期を16分割することによって周期変動をとらえていたが,これを64分割に精度をあげ,かつ各周期1000ペアの速度計測を行うようにデータ処理プロセスを高速化・自動化することによって,データ取得数を従来の20倍に増加させた計測を行う計画である.実験結果は気体のラグランジュ追跡を行い,かつその結果から新旧気体の置換率を評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)