2013 Fiscal Year Research-status Report
デュアルプレーンステレオPIVを用いた3次元リブレットによる抵抗低減効果の解明
Project/Area Number |
24560186
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩本 薫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50408712)
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Keywords | 乱流 / 抵抗低減 / PIV / 数値シミュレーション / リブレット |
Research Abstract |
革新的な3次元形状を有する微細な溝(リブレット)を考案し,乱流摩擦抵抗の低減効果を直接数値計算,及び室内実験を用いて解明することを目的として,以下の二項目を実施した. ・平行平板間乱流のDNSの実施: 平成26年度に実施予定であった圧力抵抗を減少させる流れ方向になめらかな正弦波状に変化させる3次元リブレット形状を有する平行平板間乱流の世界最大規模のDNSを実施し,抵抗低減効果を最大にする形状を特定した.その結果,昨年度実施したzig-zagリブレットと同様のリブレットの高さ,幅,角度で最適値が存在することが分かった. ・平行平板間乱流の室内実験の実施: 昨年度得られた正弦波状3次元リブレットが有する最大約12%の抵抗低減効果のメカニズムを解明するために,リブレット間が拡大縮小している効果を定量的に評価した.その結果,壁近傍の高速流体が下壁面に到達して抵抗を増加させる効果を,本リブレットが効果的に抑制していることが分かった.リブレットの平均スパン方向間隔が渦構造の直径以上であり,従来の2次元リブレットの間隔よりも広いことから,リブレットの表面積が減少し,抵抗低減効果の増加につながった. また,上記の高速流体とは壁近傍の縦渦構造に依存する流れ場であり,渦構造を直接検知可能なデュアルプレーン・ステレオPIV(DPS-PIV)を導入した.複雑な計測システムであるが,本年度はDPS-PIVで取得可能な乱流統計量(速度変動強度だけでなく,各方向の渦度強度等も含める)を直接数値シミュレーションのデータと比較し,高精度な計測システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載された本年度の研究実施計画を全て実施した.さらに,平成26年度に実施予定であった,新規形状のリブレットの最適化も直接数値シミュレーションを用いて実施したため.
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Strategy for Future Research Activity |
・平行平板間乱流のDNSと室内実験の実施 高精度に校正したDPS-PIVを用いて,最適な条件下での抵抗低減メカニズムを評価する.具体的には,抵抗低減メカニズムの本質である,リブレットの溝間における加減速の効果を,DPS-PIVで得られるデータを用いて評価する.具体的には,流れ方向に変化する3次元の流れ場の評価,及び壁近傍の縦渦構造の変化を調べる.他方,直接数値計算では,リブレット形状のさらなる最適化を実施する.何故ならば,前述の室内実験では,リブレットの流れ方向長さ及びスパン方向間隔について,相似形を保つという条件での最適値が得られるが,DNSによって最適化されたリブレットの高さ・幅までもが変更されるためである.DNS・室内実験を繰り返すことにより,5つのパラメータの最適値を探索する.
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