2013 Fiscal Year Research-status Report
マルチモーメント制約を用いた高解像度数値解法の一般化と実用化
Project/Area Number |
24560187
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肖 鋒 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (50280912)
|
Keywords | 数値流体力学 / 高精度スキーム / 圧縮性流体 / 数値振動 / 多相流 |
Research Abstract |
平成25年度では,これまで検討してきた流束再構築の一般的数値フレームワークをもとに具体的な計算スキームを検討し,それらの実用化に向けて研究を進めてきた。主に以下三つの方面において研究成果をあげている。①Gauss-Legendre点を用いたラグランジュ補間関数に基づく流束再構築法(GLL-FR)がDiscontinuous Galerkin (DG)法と同等の数値性質を有することを示した。GLL-FRは連続解においてスーパー収束性を持ち,非常に簡単な手順で高精度スキームを構築することができる。その応用例として,すでに球面浅水波方程式に適用し,立方体全球モデルを開発した。現在,関連成果に関する論文をまとめている。②マルチモーメント制約条件を用いた3点MCV法にWENO法による数値振動を制御する定式化を導入した。具体的には,まず隣接セルの点値をもとにWENO補間を構築し,それのセル中心点の勾配をMCV法の再構築関数の新たな制約条件として加える。数値実験によると,この手法は4次の収束率を示しており,また不連続の解に対して数値振動を抑える機能を持っている。③流束再構築法における一般化されたWENOリミターを提案した。この手法は既存のDGに対するWENOリミターとは異なり,高次精度を保ちつつ,非常に使いやすくなっている。④将来への発展を見据えて本手法を用いた多相流数値計算モデルの開発も着手し始めた。そのため,高性能自由界面捕獲法を提案し,まず従来型の有限体積法の圧縮性多相流モデルに適用した。今後,マルチモーメント法を用いた多相流モデルへの移行を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マルチモーメント制約条件を用いる定式化を含む流束再構築の一般的な数値フレームワークを確立した。MCV‐WENOやGLL-FRなど実用性の高いスキームを提案した。流束再構築法にWENO補間の導入に成功した。非構造格子,多相流などへの展開に着手している。
|
Strategy for Future Research Activity |
MCV-WENO法及びGLL-FR法において多次元オイラー方程式を用いて更に検証を行い,関連成果を中心に論文をまとめる。単相圧縮性流体の高精度計算コードを構築するとともに次の展開を行う。①非構造格子への拡張を行う。②圧縮性自由界面多相流の数値モデルへの展開に着手する。③反応流を取り扱うために,ソース項を制約条件として再構築に加える高精度な定式化を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の計算サーバーは,他の外部資金で購入したので,その分は次年度使用額となった。 平成26年度予算(1,858,720円:うちH26申請額1,000,000円,H25未使用額858,720円)の使用について,次のように計画している。 設備備品:データ処理用ワークステーション一台(約300,000円)。出張旅費:海外出張4回(約1,000,000円),国内出張2~3回(約150,000円),共同研究のため外国人研究者招へ1回(約150,000円)。人件費:約150,000円。 消耗品・その他:約100,000円。
|