2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘリカルモード間の干渉による超音速ジェット騒音抑制手法に関する数値解析
Project/Area Number |
24560189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 大輔 富山大学, その他の研究科, 講師 (70363033)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マッハ波 / 超音速ジェット / DNS / 乱流 / 騒音 |
Research Abstract |
ヘリカルモード間干渉によるマッハ波抑制効果のマッハ数およびレイノルズ数依存性を明らかにし、能動的抑制技術を確立することを目的に研究を進めた。本年度は単一の周波数のヘリカルモードペアの干渉によるマッハ波抑制効果を検証するため、低レイノルズ数領域(Re<10000)において直接数値シミュレーションを実行し、加えるべきヘリカルモードの振動数および振幅について調査を行った。 ヘリカルモードが成長することによるジェット近傍音響場を調査するため、単一のヘリカルモードおよび一対のヘリカルモードペアをジェット流入部に加えた計算を行った結果、単一のヘリカルモードの成長により螺旋状にジェットから放射されるマッハ波が形成されることを確認し、ヘリカルモードペアでは0-180°平面方向に反対称的なマッハを形成し、90-270°方向には殆どマッハ波を放射しないことを確認した。 ノズルから噴き出す乱流ジェットを模擬しランダム撹乱のみをジェット流入部に加え、ジェットから放出される支配的なマッハ波の振動数を調査した結果、約St=1.0(ジェット半径に基づく)付近の振動数を持つヘリカルモードが卓越していることを確認した。 乱流ジェットにおける互いを干渉させる一対のヘリカルモードペアの成長による音響場への影響を確認するため、ランダム撹乱に一対のヘリカルモードペア(約St=1.1)を加えた結果、ジェット近傍の音響場では、加えたヘリカルモードペアによる圧力変動が線形的に重ねあわされる結果が得られた。この結果は、ジェット流入部(ノズル部)において加えるヘリカルモードの振動数・振幅制御に対し下流での圧力情報を線形的に利用できることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、単一の周波数のヘリカルモードペアの干渉によるマッハ波抑制効果を検証するため、低レイノルズ数領域(Re<10000)において、制御において必要となる情報(ヘカルモードの振動数および振幅)について調査を行う目的に対し、騒音源となるマッハ波振動数の確認した。また、乱流ジェットに加えたヘリカルモードが生み出す圧力変動(マッハ波)がジェット近傍音響場に対し線形的な重ねあわせとして現れることを確認した。このことにより、乱流ジェットから放射されるマッハ波の情報からノズル部で加えるヘリカルモード振幅、周波数を線形的な予測から決めることができるという知見を得たことにより、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘリカルモード間干渉によるマッハ波抑制効果のマッハ数およびレイノルズ数依存性を明らかにし、能動的抑制技術を確立することを目的に広範囲の速度領域(圧縮性)に対応する抑制効果を確認するために、マッハ数の影響について調査する。ジェット速度が増大すると、放射されるマッハ波の大きさも増大することにより、ヘリカルモードの干渉のみでは十分な抑制効果が得られない可能性がある。そのため、ノズル重量等の増大を招くがcoflow jet を併用しヘリカルモード干渉によるマッハ波による騒音抑制を検討する。さらに、実機と同様の高レイノルズ数領域で想定される広帯域に渡るマッハ波の周波数に対し、複数の周波数のヘリカルモードペアを流入撹乱として用い、その抑制効果を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き大規模DNSを実行するため、スーパーコンピュータを利用するため、計算機利用料が必要となる。また、本年度(H24)計画していたGPGPUワークステーションの購入に関し、予定していたGPGPUボード(NVIDIA)が新モデルの発表時期と重なり、また、Intelより新しく高速計算用ボードの発売が発表された。このため、早期の陳腐化を避け、より高速なワークステーションによって効率的に研究を進めるため購入を延期した。このため、次年度(H25)においてGPGPUワークステーションを購入する。その他、成果発表(論文投稿料、国内学会旅費、海外旅費)に関する経費が必要となる。
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Research Products
(3 results)