2013 Fiscal Year Research-status Report
LIF法とMTVによるマイクロノズル内部および外部の超音速流れに特有な現象の解明
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24560198
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
半田 太郎 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (30284566)
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Keywords | マイクロ流れ / 噴流 / 超音速流れ / レーザー誘起蛍光法 |
Research Abstract |
本年度は,先細マイクロノズルから発生する超音速マイクロ噴流の速度をレーザー誘起蛍光法を用いて可視化した.超音速マイクロ噴流と亜音速マイクロ噴流の構造の違いを明らかにするために,噴流マッハ数を0.3-1.5まで変化させて可視化実験を行った.可視化結果より,ノズル出口から噴流が崩壊するまでの長さ,すなわち,ブレークダウン長さを見積もり,各噴流マッハ数においてブレークダウン長さをレイノルズ数対してプロットした.その結果,レイノルズ数とブレークダウン長さの関係は亜音速噴流と超音速噴流で大きく異なることが分かった.また,先細マイクロノズルから発生する超音速マイクロ噴流のブレークダウン長さと昨年度計測した先細末広マイクロノズルから発生する噴流のブレークダウン長さを比較すると,両者はレイノルズ数について異なる変化を示すことが明らかになった. また,マイクロノズル内の流れの状態を明らかにするために,二次元ナビエ-ストークスに基づく数値解析を実施した.数値解析結果の妥当性を評価するために,MTV(Molecular Tagging Velocimetry)により流れの速度を測定した.ノズル内の速度を求めることはノズル壁面からの散乱光の影響が大きいため困難であるので,噴流の二次元性が確保されているノズル出口すぐ下流の速度を計測し,数値解析検証用のデータとした.検証の結果,数値解析は実験結果と良く一致した. さらに,マイクロノズル内の状態量を計測するため,レーザー誘起蛍光法による密度計測を試みた.本年度は壁面からの散乱光の影響を除くことに多くの時間を費やしたため,一つの作動条件の計測にとどまったが,数値解析と実験結果がある程度一致し,光学系を改良することにより,より高い精度で計測が可能となる見通しが立った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,レーザー誘起蛍光法によるノズル内の状態量を測る予定であったが,ノズル内からの散乱光の影響を除くための光学系の構築に予定していたよりも多くの時間を費やしたので若干研究の進捗が遅れているが,光学系を改良することにより精度向上の見通しが立ったので,直ちにノズル内の密度計測を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー誘起蛍光法とMTVによりノズル内外の流れを計測し,数値解析により流れの構造を明らかにするとともに,レイノルズ数による流れの構造の違いを明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初,レーザー誘起蛍光法によりノズル内部の密度を様々な作動条件で計測する予定であったが,ノズル内の散乱光の除去に多く時間を費やし,予定していた量の作動ガス(窒素ガス)を使用しなかったため未使用額が生じた. 次年度に各作動状態におけるノズル内部の密度を計測する予定なので,それらの計測で使用する作動ガスの費用に,未使用額を当てる予定である.
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Research Products
(10 results)