2012 Fiscal Year Research-status Report
管内圧縮波の長距離非線形伝播における形成衝撃波の消滅現象の解明
Project/Area Number |
24560199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20150922)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 圧縮波 / 衝撃波 / 非線形現象 / トンネル騒音 |
Research Abstract |
急激な圧力上昇を伴う圧縮波や衝撃波などの圧力波が管内を長距離伝播する際(パイプラインや長大トンネル)の急激な圧力変動を正確に予測するには、その非線形伝播過程における圧力波の非線形現象を正確に知ることが必要である。 平成24年度は、まず内径16mm、最大長さ100mの極めて長い管路内を伝播する弱い衝撃波における距離減衰・非線形特性を模型実験により解析した。 その結果、 衝撃波の形成距離、及び衝撃波の強さの最大値は、初期波面前面の形状の影響を受け、また、衝撃波の消滅する距離は、初期波面の形状には関係なく初期強さが大きいほど長くなることがわかった。 多孔管を設置することにより、衝撃波が圧縮波に遷移したのちの圧縮波の波面の減衰がさらに促進されることが実験的に確認、その多孔管の設置位置は圧力波の波面の圧力の時間的勾配が大きいところが最も効果的であることがわかった。 つぎに、56×56mmの矩形管内を長距離伝播する圧縮波の背後の非定常流れをレーザー作動干渉計を用いた詳細な測定を行うことにより、管内を伝播する圧力波の波面変形に関する非定常境界層の遷移現象の有益なデータを得た。 その結果、圧力波形のオーバーシュート、境界層内の空間的な変化、主流との相対密度から導き出した遷移の終了時間から非定常境界層の遷移レイノルズ数のデータを得るとともに、極めて長い管路内を伝播した圧縮波の背後の非定常境界層の遷移特性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画の各項目に関して、 1. 波動シミュレーターの波動伝播管を内径16mmの円管と設定し、長距離伝播がシミュレートできるように長さ/内径比が6250倍の100mとすることができた。 2. 波動シミュレーターを改良し、初期条件としての任意の強さ及び波面形状の圧力波波形 に関する基礎的資料を得た。 3. 波動シミュレーターの波動伝播管内を伝播する圧力波の非線形効果を測定するため、高感度圧力変換器を波 動伝播管に取り付け測定管路部を作製し、波動伝播管において、詳細測定用管路部の設置場所を移動した測定をメモリハイコーダで記録測定した。 4. 非常に長い管路内を伝播する圧力波の特性を明らかにするために、レーザー作動干渉計を用いた詳細な測定により、伝播する圧縮波の非線形現象と初期圧縮波の波面構造の関連に関する基礎的資料を得た 。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の成果を踏まえ、レーザー差動干渉計を、管内を伝播する圧力波(圧縮波、衝 撃波)の背後に発達する流れの助走部、および管内流れの発達部の非定常測定をすることにより、非定常流れの 層流から乱流への遷移現象あるいは逆遷移現象を詳細に測定できるように改良発展させる。 さらに、波動シミュレータ ーとレーザー差動干渉計を組み合わせることにより、極めて長い管路内を伝播する圧力波の波動伝播、特に長距 離非線形伝播により形成される衝撃波の消滅現象に対する圧力波背後の非定常流れの層流・乱流遷移現象の影響 を明らかにする。 1. 波動シミュレーターの波動伝播管をさらに延長し、圧縮波の長距離伝播した後の圧縮波背後に発達する非定常流れの密度変化を測定し、メモリハイコーダで記録測定する。
2. レーザー差動干渉計による非定常の密度測定から、管内の非定常流れの層流・乱流遷移現象を明らかにする 3. 測定された密度変動をFFT分析器を用いてパワースペクトル解析を行う。さらに、壁面からの測定位置を変更して、 背後に発達する非定常境界の助走部における、境界層の層流・乱流遷移を測定する。 4. 圧縮波の非線形効果、壁面の定常・非定常摩擦、壁面の熱伝達及び壁面の構造を考慮した数値解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、波動シミュレーターの波動伝播管をさらに延長し、圧縮波の長距離伝播した後の圧縮波背後に発達する非定常流れの密度変化を測定し、メモリハイコーダで記録測定する。次年度に使用する予定の研究費は、延長する波動伝播管に設置する圧力変換器の購入に充てるもので、延長する波動伝播管において圧力波伝播の予備実験を行った後に最適な性能を持つ圧力変換器を購入する必要があるため、当該研究費の状況が生じた。
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Research Products
(6 results)