2013 Fiscal Year Research-status Report
管内圧縮波の長距離非線形伝播における形成衝撃波の消滅現象の解明
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24560199
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20150922)
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Keywords | 圧縮波 / 衝撃波 / 非線形現象 / 境界層 / 非定常流れ / 遷移現象 |
Research Abstract |
急激な圧力上昇を伴う圧縮波や衝撃波などの圧力波が管内を長距離伝播する際(パイプラインや長大トンネル)の急激な圧力変動を正確に予測するには、その非線形伝播過程における圧力波の非線形現象を正確に知ることが必要である。 平成24年度の成果を踏まえ、平成25年度は、まず波動シミュレーターの56×56mmの矩形管を最大長さ61mに延長し、きわめて長い管路内を伝播する弱い圧力波の測定を可能にした。レーザー差動干渉計を、管内を伝播する圧力波(圧縮波、衝撃波)の背後に発達する流れの助走部、および管内流れの発達部の非定常測定をすることにより、非定常流れの層流から乱流への遷移現象を詳細に測定できるように改良発展させた。 さらに、波動シミュレーターとレーザー差動干渉計を組み合わせることにより、極めて長い管路内を伝播する圧力波の波動伝播、特に長距離非線形伝播により形成される非定常境界層の層流・乱流遷移現象の詳細な計測を行い、その伝播特性を明らかにした。その結果、非定常境界層の遷移開始時間と伝播圧力波形の減衰開始時間の測定により、非定常境界層の遷移現象と伝播圧力波形との関係を実験的に初めて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施計画の各項目に関して、 1. 波動シミュレーターの波動伝播管を56×56mmの矩形管と設定し、長距離伝播がシミュレートできるように長さ/内径比が1089倍の61mとすることができた。 2. 波動シミュレーターの波動伝播管内を伝播する圧力波の非線形効果を測定するため、高感度圧力変換器を波動伝播管に取り付け、波動伝播管ないの圧力変動をメモリハイコーダで記録測定した。 その結果、波動伝播管56×56mmの矩形管内を長距離伝播したときの伝播圧力波に対し、波面形状の非線形変形およびその伝播特性に関する基礎的資料を得た。 3. 非常に長い管路内を伝播する圧力波の特性を明らかにするために、レーザー差動干渉計による非定常の密度測定から、管内の非定常流れの層流・乱流遷移現象を明らかにした。さらに、壁面からの測定位置を変更して、背後に発達する非定常境界の助走部における、境界層の層流・乱流遷移を測定し、非定常境界層の遷移開始時間と伝播圧力波形の減衰開始時間の測定により、非定常境界層の遷移現象と伝播圧力波形との関係を実験的に初めて明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24,25年度の成果を踏まえ、レーザー差動干渉計を、管内を伝播する圧力波(圧縮波、衝撃波)の背後に発達する流れの発達部の非定常測定をすることにより、形成衝撃波の消滅現象時における、圧力波背後の流れの層流から乱流への遷移現象あるいは逆遷移現象を解明する。 1. 波動シミュレーターの波動伝播管をさらに延長し、形成衝撃波の消滅現象における圧力波形の圧力変動をメモリハイコーダで記録測定する。 2. レーザー差動干渉計による非定常の密度測定から、形成衝撃波の消滅時における管内の非定常境界層流れの層流・乱流遷移現象を明らかにする 3. 測定された密度変動をFFT分析器を用いてパワースペクトル解析を行う。さらに、壁面からの測定位置を変更して、背後に発達する非定常境界の助走部における、境界層の層流・乱流遷移を測定する。 4. 圧縮波の非線形効果、壁面の定常・非定常摩擦、壁面の熱伝達及び壁面の構造を考慮した数値解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、波動シミュレーターの56×56mmの矩形管の波動伝播管をさらに延長し、圧縮波の長距離伝播した後の形成衝撃波の消滅現象を解明できるようにする。次年度に使用する予定の研究費は、本年度で準備予定の波動シミュレーターの56×56mmの矩形管の延長用の波動伝播管の設計が遅れたために、当該研究費の状況が生じた。 次年度に使用する予定の研究費を使用して、波動シミュレーターの56×56mmの矩形管の波動伝播管をさらに延長する予定である。
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Research Products
(4 results)