2013 Fiscal Year Research-status Report
ナノ手術デバイスに向けた電場誘起流動・粒動現象の解明
Project/Area Number |
24560203
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小原 弘道 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (80305424)
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Keywords | 電場誘起流動 / 細胞操作 / 交流電場 / 誘電泳動 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
幹細胞の活用や細胞機能の解明,細胞を用いた医療の高度化のために個々に着目した細胞操作技術の高度化が求められている.本研究の最終目標は,細胞を対象としたナノ手術デバイス開発のための基盤技術の確立である.本技術は,先鋭微小電極を形成することで近傍局所域に交流電場印加により交流電場誘起流動と粒子や細胞の粒動を形成し,この流動・粒動にあわせて,電場印加により細胞膜上に一時的な開口部を形成可能なエレクトロポレーション法を融合した技術である.本研究は,基盤技術となる先鋭電極に形成される電場誘起流動・粒動現象の詳細解明することを目的としている.細胞内に薬剤ナノカプセルや遺伝子などを選択的・積極的に導入可能なこの技術は,次世代型医療技術の基盤となることが期待され,ガンなどの腫瘍排除,免疫系細胞の制御,遺伝病の克服など幅広い医療への貢献が期待される.当該年度においては,先鋭電極近傍に形成される交流電場誘起流動・粒動の形成機構の解明に重要となる先鋭微小電極の評価技術の確立,先鋭電極作成のための基盤技術の確立ならびに,細胞を用いた詳細計測を用った.具体的には電極部を有するミニチャンバーと倒立型顕微鏡),高速度カメラ,光源により構成さるマイクロPIV/PTVハイブリッド計測システムからなる実験装置を用い実験を行った.マイクロチャンバー内に供試粒子あるいは細胞懸濁液を滴下し先鋭電極を配置し,電場を印加し交流電場誘起粒動・流動を形成した.次年度の細胞操作の詳細解析に向けた評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進行に関しては,当初の計画への達成度はおおむね順調である.電極作成技術に関しては,まだ克服すべき課題もあるものの,基盤技術の確立,交流電場誘起流動・粒動の形成機構の解明は着実に成果を蓄積してきている.当該年度は積極的に学会報告を行い,次年度での論文による報告の準備をすすめた.
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Strategy for Future Research Activity |
より実際の使用環境下での現象評価をふまえ,細胞,粒子分散液の溶媒条件を検証し,整理を進めていく.さらに,エレクトロポレーション条件との組み合わせにおける詳細評価を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度では人件費を使うことなく実験を実施できたことから,その分に相当する額が次年度使用可能となっている. 次年度においては,当該年度分も含めた人件費の支出が予定されている.
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Research Products
(4 results)