2012 Fiscal Year Research-status Report
尿管ステント内における結石形成過程に関する基礎研究
Project/Area Number |
24560211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉本 康弘 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (00319039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医工連携 / 尿管ステント / 結石形成 |
Research Abstract |
本研究では,人体内の腎盂と膀胱を接続する尿管疾患者に留置される尿管ステント内に形成される結石の形成過程を明らかにすることを目的としている.人体内の流れを模擬した試験装置を用いて,結石形成過程をモデル試験,流れ場計測およびCFD解析から明らかにすることを目的としている. 平成24年度は、平成23年度から引き続き行っている尿を模擬した溶液による結石形成模擬実験を行い,尿管ステントに設けられた小孔近傍に結石形成が多く見られることを明らかにした.また小孔を模擬した透明アクリル樹脂製2次元試験部流路を設計・製作し,矩形断面の流れ場における流量計測,PIVによる流速分布を計測し,汎用コードを用いたCFDとの比較を行った.ここで,孔形状について検討を行うため,面取りを施した形状についいても検討を行った. その結果,①PIV計測とCFD結果は比較的よい一致を示した.②面取りを施すことによって,主管内の流れ場に大きく影響を及ぼすことはなかったが,③小孔内の流れ場において流れ場(よどみ)の状況を変更することができことをCFDにより明らかにした. 当初の計画では結石形成実験の効率化のための新たな装置設計および製作を行う予定であった.模擬実験および数値解析による孔形状の検討を優先したことと同時に,従来の装置に改良を加えることである程度の効果を得ることができる判断したため,次年度以降に行うこととした. また,国際会議などへ参加し,結石制御に関連する超音波を用いた粒子および気泡挙動に関する研究報告をするとともに,流体力学の利用応用への動向を調査し,超音波や気泡の医療への応用へ向けた最新研究の情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では結石形成実験の効率化のための新たな装置設計および製作を行う予定であったが,必要部品を準備するまでの状況である.模擬実験および数値解析による孔形状の検討を優先したことと同時に,従来の装置に改良を加えることである程度の効果を得ることができる判断したため,次年度以降に行うこととした. 本年度優先して行った研究の主要な成果は以下のとおりである.2次元流路を作成し,ステントに設けられた孔まわりの流れ場を模擬し,実験および数値解析しながら孔の形状について検討を行った.さらには発展的なテーマとして,超音波による結石挙動制御および結石付着の抑制のための超音波洗浄に関する検討を行った.粒子や泡の挙動をとらえることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度行った解析および模擬実験のデータをもとに,実際の尿管ステントの小孔に改良を加え,模擬溶液を用いた結石形成実験を行う.流れ場と結石形成位置の関係を対応付けし,PIVによる流れ場計測およびCFD解析を継続して行いながら,より効果的なステント形状の提案を行う.同時に外乱因子が結石形成に及ぼす影響を明らかにするため,超音波を用いた微粒子の制御に関する基礎的な検討を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に以下の項目に対して使用する. 尿管ステント費用,実験用試薬費,装置の改良費(材料費含む),研究動向調査(超音波を用いた結石を模擬した微粒子制御に関する研究報告および医療応用関連研究調査)のための旅費.
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Research Products
(3 results)