2013 Fiscal Year Research-status Report
尿管ステント内における結石形成過程に関する基礎研究
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24560211
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉本 康弘 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (00319039)
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Keywords | 尿管結石 / 尿管ステント / 結石形成 / 結石破砕 |
Research Abstract |
平成25年度は透明アクリル樹脂を用いた2次元尿管ステントモデルを作成し,内部の流動状況の把握を行った.特に,尿管と尿管ステントの関連を模擬できるように工夫された流路形状を作成し実験を行った.尿管ステントには側壁に微細孔が設けられており,その近辺に結石形成が多く確認できることを実験後観察より把握できたので,ステントに設けられた孔形状の効果を調べた.しかし,実際のステント材料のポリウレタンは非常に軟質で加工が難しく,十分な形状が実現できなかった.また,ある程度加工ができたサンプルにて実験を行い,何らかの加工を施したステント条件で結石形成が抑制できることを示した.CFDによる流れの検討を行ったが孔の形状は流れ場に対して大きく影響を与えている結果は得られていない.結石の抑制につながった原因をさらに追究する必要がある.また,今後へチャレンジとして超音波を利用した微細粒子の挙動を把握するための基礎実験を行った.超音波の音響放射力により液中の微粒子の集合挙動を確認した.この効果を比較的低レベルの体外超音波照射によって結石形成を抑制できないか検討してゆきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尿管内および尿管ステント内流れを模擬できる試験装置の作成を行うとともに実際のステントを留置して結石形成実験を行える流路作成を行った.結石形成実験を行い,尿管ステントの側壁に設けられた孔付近で多く結石形成が確認できた.また,尿管ステントの側壁に設けられた孔形状を変化させた実験において結石形成が抑制される傾向が見られた.これらの実験と並行して,CFDにより尿管および尿管ステントをモデル化し,解析的な検討を行ったが,孔形状の変化に対して大きな変化は見られなかった. 上記のように、何らかの要因によって結石形成が抑制されたが,そのメカニズムは分かっていない.最終年度により良いステント孔形状を提案できるよう研究を進めてゆきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
2次元ポリウレタン流路を作成し,結石形成過程の詳細な観察を行う.これまで実際の尿管ステントを試験装置に留置し,実験後のみの観察を行っていた.しかし,位置の特定や3次元性の問題より,その位置特定や結石形成の特定までには至っていない.本研究の最終年度において,結石形成過程(特に結石形成のきっかけとなる最初の結石付着やその大規模化)を明らかにする.また,治療および予防の手法について検討を行う.結石形成実験と同時に外乱(とくに超音波)の効果を検討する.比較的低レベルの超音波により結石形成が抑制できないか検討する.またファイバーレーザーによる結石破砕についても検討を行う.医療現場で行われているファイバーレーザーの使用法は経験的なものが多く,結石破砕メカニズムも明らかになっていない.そこで,水中でのレーザー照射と対象物への衝撃状況の把握を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
事務処理上,2月中旬までの決算額が記載されており,年度切り替え時の3月に使用する予定分および急きょ必要となる分も含めて次年度へ繰り越しした.(全体額に対し数万円程度と大きな額ではない.) 主に物品費に加算して使用予定である.
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Research Products
(2 results)