2014 Fiscal Year Annual Research Report
尿管ステント内における結石形成過程に関する基礎研究
Project/Area Number |
24560211
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉本 康弘 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (00319039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 尿管結石 / 尿管ステント / 結石破砕 / 医工連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,人体内の腎盂と膀胱を接続する尿管疾患者に留置される尿管ステント内に形成される結石の形成過程を明らかにすることを目的としている.また,形成された結石の破砕に関する基礎研究を行った.尿管に関する疾患として,尿管結石があげられる.尿の排出を行うためにはステントを留置し,膀胱への排出を促す処置を行う必要がある.しかし,排尿時の膀胱昇圧時に,膀胱から腎盂へ向かう流れの発生が予測される.さらにはステントにも結石が付着し,2,3か月に一度交換する必要があり,患者への負担が大きい.このようなことから,①尿管内の流れ現象の把握,②結石形成位置の把握を行いながら③結石形成を抑制できるステント開発が待たれる.また,結石治療として内視鏡およびファイバーレーザーを用いた治療が行われている.レーザーによって形成された気泡の崩壊時の衝撃によって破砕が行われいる.しかし医療現場ではこのような高速現象を肉眼でとらえることができず,医師の経験と勘で治療が行われているなどまだ検討不十分な点がある. まず結石形成過程について,新たなステント設計および流れ場の把握を目的として,人体内流れ,特に腎盂から膀胱までの配管系を模擬できる試験装置を設計・製作し,ステント留置時の流れ現象を実現した.また,実際の尿を模擬した懸濁液を用い,結石形成に関する実験的研究を行うとともに,CFDを用いた流れ場予測を行った. 次に結石破砕について,本研究ではレーザ治療に用いられるHo:YAGファイバレーザにおいて発生する気泡挙動とその固体境界へ衝撃計測を行った.尿管結石症治療における最適レーザ照射条件を明らかにするため,レーザ照射条件(ファイバ径および出力)および固体境界の影響(壁面までの距離および壁面の硬度)について検討した.その結果,特徴的な挙動および壁面衝撃特性を明らかにした.
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