2013 Fiscal Year Research-status Report
反応性液相多成分物質の乱流拡散・混合現象の解明と確率過程モデルに関する研究
Project/Area Number |
24560212
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
久保 貴 名城大学, 理工学部, 准教授 (20372534)
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Keywords | 乱流 / 拡散 / 混合 / 化学反応 / 確率過程モデル |
Research Abstract |
本研究では,高シュミット数が特徴である液相における反応性乱流拡散場の統計的特性を明らかにすることを目的として,吸光スペクトル法による多成分濃度同時測定を行う。そのために,高空間・高時間分解能の多成分濃度測定システムの開発を行い,反応性乱流の微細構造を明らかにする。 前年度までに,高時間・高空間分解能の2成分濃度同時測定システムの開発を行った。分解能を向上させるために検査体積を小型化したが,光量も減少するため,従来光源として用いられていたハロゲンランプでは,高精度な濃度測定は不可能である。そこで,光源として緑色と赤色の2つのレーザーダイオードモジュール(LDモジュール)を使用した,2成分の濃度測定システムを開発した。 平成25年度は,上記の2成分濃度同時測定システムに,さらに1波長分,新たに青色のLDモジュールと分光系を購入することにより,3成分の濃度を同時測定可能なシステムにバージョンアップを行った。静止流体中で濃度測定の原理試験およびノイズの影響を調べ,濃度測定システムの有効性を確認した結果,誤差1%以内で3成分同時濃度測定が可能であることが確かめられた。 さらに確率モデルとして,確率密度関数(PDF)法による反応性拡散場のモデリングも引き続き行った。平均せん断のない格子乱流中におけるマルチプルーム拡散場を対象とした数値計算を行った。この拡散場は断面方向に近似的に一様と見なすことが可能であり,モデル化が必要となる分子拡散モデルの評価に最適である。まず,IEMモデルを液相反応性乱流に適用し,単一の二次反応と連続競争反応の場合の計算を行い,実験と比較することにより,その有効性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要欄にも示したように,平成25年度は前年度までに開発した2成分濃度同時測定システムに,さらに1波長分,新たに青色のLDモジュールと分光系を購入することにより,3成分の濃度を同時測定可能なシステムにバージョンアップを行った。静止流体中で濃度測定の原理試験およびノイズの影響を調べ,濃度測定システムの有効性を確認した結果,誤差1%以内で3成分同時濃度測定が可能であることが確かめられた。 さらに確率モデルとして,PDF法による平均せん断のない格子乱流中におけるマルチプルーム拡散場を対象とした数値計算を行った。IEMモデルを液相反応性乱流に適用し,単一の二次反応と連続競争反応の場合の計算を行い,実験と比較することにより,その有効性を検証した。 以上のように,実験的研究では3成分濃度同時測定システムの開発は行えたが,実際の化学反応場に適用できていないこと,また数値的研究は当初の計画よりもわずかに遅れていることから,「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降,開発した高時間・高空間分解能の多成分濃度同時測定システムを用いて,実際の乱流拡散場の多成分濃度測定を行うことにより,その有効性の検証を行う予定である。さらに,本研究の最終目的である反応性乱流の微細構造を明らかにしていきたい。 さらに,確率モデルについては,今年度まで検証した分子拡散モデルを,代表的なせん断乱流である軸対称乱流噴流に適用する。計算結果を本研究の実験結果と比較することによりその検証を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額(B―A)=1,695円が生じたが,これは本年度必要な物品費等を慎重に検討しながら使用した結果生じたものである。 次年度使用額が1万円以下であることから,来年度以降実験を行っていく上で必要となる物品費の使用に当てる予定である。
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Research Products
(5 results)