2013 Fiscal Year Research-status Report
相変化ナノ粒子の相界面現象の解明と革新的蓄熱技術の創成
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24560217
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
麓 耕二 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (50259785)
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Keywords | ナノエマルション / 蓄熱 / 流動特性 / 過冷却現象 / 相変化 |
Research Abstract |
初年度に引き続き,蓄熱を目的とした相変化ナノエマルションの諸特性および物性値測定に関する実験的研究を実施した.特に初年度において検討課題となっていたナノ粒子の凝固時における過冷却状態の抑制を効果的に行うため,ポリマー配合物質に加えて,ナノ粒子中に予め金属固体粒子を混濁したナノエマルションを生成し,相変化特性に及ぼす影響を明らかにした.現段階においてアルミナナノ粒子を供試体として用いナノエマルションの相変化時の過冷却状態を抑制する物質として効果があることを明らかにした.一方,初年度の流動特性の結果を踏まえて,相変化ナノエマルションの熱伝達特性および蓄熱特性を明らかにするため,二重直管装置を作成し,融解過程および凝固過程について検討を行った.結果として融解過程においては,良好な熱伝達特性を明らかにすることができたが,凝固過程において,直管内での過冷却現象が相変化を妨げ,蓄熱効率を低下させることが分かった.さらにナノエマルションの生成方法について,これまでの相転移法に加えて,D相乳化法を導入し,高効率かつ大量にエマルションを生成出来る方法の確立に取り組んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノエマルションの相変化特性について核と成り得るナノ粒子の探索を開始し,一定の成果を得た点.またナノエマルションの生成方法について,実用化を目指した新たな生成方法に取り組んだ点.さらに流動試験装置を改良し,伝熱特性について明らかにした点があげられる.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,相変化ナノエマルションの凝固時における過冷却抑制を目的とした方法を探索する必要がある.特にナノ物質の混入や新たな方法について実験的な検討が必要と考えている.また流動装置について,小型流路を作成し,マイクロ伝熱に関する検討も合わせて行なう予定である.さらに当初の目的である,蓄熱温度を選択できることを明らかにするため,これまでのテトラデカンに加えてオクタデカンを用いて,室温程度の蓄熱媒体の可能性について検討する必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究謝金として研究室の大学院生に対して支出を予定していたが,予定該当者が急遽不在となったため,謝金の使用に至らなかった事による. 次年度は,当該研究に関連する実験およびデータ整理を担当する大学院生に対して,確実に謝金を支出する予定である.
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Research Products
(5 results)